上野動物園を舞台にしたオムニバス短編集『曇り空のZOO』、完結しました。(ちなみに僕は「オムニバス」の意味をよくわかっていません。たぶん「オムレツ」の上位存在だと思います)
のっけから自虐で申し訳ありませんが、あまり納得の行く出来映えではないのでそのうち大幅改稿するかもしれません。自作を卑下することは読んでくれた人に後ろ足で砂をかける行為なので好きではないのですが、まあお金取っているわけでもないですし、許して下さい。どうも「完結したんで是非読んで下さい!」という気分になれなくて……すいません。
敗因は、大きくわけて三つと考えています。
一つ目は、舞台である上野動物園に行かず(行けず)記憶で書いたこと。舞台を共通化したオムニバス短編集でこれは痛い。情景描写が甘くなるということではないんですよ。そこは元々甘いので(おい)。ぼんやりとしたイメージしか頭に入っていないので、キャラやストーリーがぼんやりとしか動いてくれなかった。それが足を引っ張りました。
二つ目は、書いている途中で間を開けてしまったこと。僕は小説書く時はいつも毎日休まず頭から終わりまで一気に書くのですが、本作は色々あって書かない日が相当ありました(8万字を1ヶ月半は僕的に超スローペースです)。すると休暇を挟んで一回頭の中がリセットされてしまうから、筆は乗らないし似たような表現が頻発するしでロクなことがない。継続は力ですね。身に染みました。
三つ目は、書きはじめる前の作り込みが甘かったこと。そもそも本作は「そろそろ何か書かないとな」という義務感から見切り発車した面が大きく、脳内プロットはかなりゆるゆるでした。どれぐらいゆるゆるかというと、五つの短編の中に二つほど書きはじめる前にオチを考えていなかったものがあるぐらいゆるゆるでした。そんなんで誤魔化し誤魔化し書き続ければ、そりゃあグダグダになります。いい加減ちゃんとしたプロット作ろう。そろそろ限界に突き当たる予感がする。
というわけでかなり悔いの残る出来ではあるのですが、「舞台とテーマを用意してそこで繰り広げられる様々な人間ドラマを書く」という形式は気に入っており、実は『曇り空のZOO』以降も似たような作品構想がいくつもあったりします(『定点観測シリーズ』と勝手に呼んでいます)。ただ、まだまだ作り込みと筆力が足りていないので書くとしても出番は当分先ですね。しばらくは潜伏期間にしたいと思います。そのうちまた何か書きはじめたらお読み頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。
ちなみに本作、初期構想では短編五つではなく六つでした。ナマケモノを題材にした作品があったのに、調べたらナマケモノは死んで上野動物園からいなくなっていたから書けなかった。半ニートの劇団員と不登校の少年がドタバタする話。本作の中では珍しい明るめのエピソードだったから書けなくて残念です。オチは考えてませんが(だからお前はダメなんだ)
-----「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」のレビュ返-----
何度|なんど 様
軽い気持ちで読み始めて引き込まれ最後まで読むというのはまさに想定していた読み方であり、僕は本作を基本はエンタメ小説として読み手を引き込みながら要所要所で考えさせられるような作品にしたいと思っていました。その通りにお読み頂けたようで、とても嬉しいです。ありがとうございます。
なお、僕は女性のBL星移住はオススメしません。あの星、女性は迫害の対象になっている可能性すらあると思う。
-----「小笠原先輩は余命半年」のレビュ返-----
スティーブンジャック様
本作は短くて軽い話ですが扱っているものは重く、拙作が何かしらを考えるきっかけになったのであれば光栄です。ありがとうございました。