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「秀逸なレビュー」の書き方を考える&レビュ返

 いつの間にか「Wレビューキャンペーン」なるイベントが始まっていました。

 https://kakuyomu.jp/info/entry/wreview_campaign

 初評価云々の方はあまり関係ないから無視するとして、レビューの方は要するに「レビューコンテスト」ですね。レビュコン。良い試みだと思います。
 どうも最近、新着レビューが目立たない位置に追いやられたせいか、レビューの集客効果が落ちてるんですよね。気合入れてレビューを書いてもPVもフォローも★もぜんぜん動かないからつまらない。おかげで積極的にレビューを書く気が起きなかったのですが、こういうインセンティブ(なお僕は本企画最大のインセンティブは図書カードではなく承認欲求が満たされることであると認識しています)を示されると「いっちょやってみるか」という気分になります。ただピックアップされるレビューは長編、せめて中長編を対象としたレビューに絞って欲しかった。あとイベントはイベントでOKだから新着レビューの位置を早く上に戻してください。発掘作業が捗りません。

 ところで「秀逸なレビュー」とはどんなレビューでしょう?

 僕は画一的な解は存在しないと思っています。作品に作者による個性があるようにレビューにもレビュアーによる個性があり、それぞれで到達点が違うからです。とはいえそれで話を終わらせてしまってはつまらない。そこで今回の近況ノートは「秀逸なレビュー」を書くにはどうすればいいか、少し考えてみたいと思います。

 個性に応じて最適解が変わるのだから、まずはレビュアーの個性を分類する必要があります。そして「〇〇タイプは〇〇すると良い」という風に考える。あまり細かくしても話がややこしくなるだけなので今回は二つに分けます。「主観型」と「客観型」です。

 簡単に説明すると「この作品のこういうところに感動した」というレビューを書く際、「感動した」に主軸を置くのが主観型で「こういうところ」に主軸を置くのが客観型です。言っていることは似たり寄ったりでも作品との距離感が違う。僕は客観型ですね。もちろん主観的なことを書いたりもしますが、あくまで褒めている箇所が素晴らしいことを伝えるための道具として使っています。

 主観型に求められる能力は「表現力」。作品にどれほど心揺さぶられたとしても「なんていうか、ヤバい。すごみある」ではレビューを読んだ人間にその感動が伝わりません(ある意味興味惹かれますが)。よって作品から受け取った原始的な感情を上手く表現することが必要になります。感性の話なので僕が具体的に何をどうすれば良いと示唆することは出来ませんが、レビューを読んでいる感じ、少し大げさなぐらいが丁度いいのではないかと思います。

 対して客観型に求められる能力は「分析力」。作品の長所を的確に捉えて論理的に述べる力です。プレゼン力と言い換えてもいいかもしれません。取り上げる長所が具体的過ぎると未読の人間に伝わりにくいので「点」ではなく「面」で捉えることを意識すると良いと思います。「点」を言及したい時は「こういうところが良い。具体的には~」と先に「面」を示しておく。あとは堅苦しくなりがちなので適度にフランクな表現を挟むと読みやすいでしょう。

 ――と色々書きましたが、結局は「秀逸なレビュー」を書こうとすると泥沼に嵌って書けなくなるので、本イベントは「感じるままレビューを書いて運が良ければ図書カードを貰える」ぐらいのものと捉えるのが正解だと思います。だいたい僕だってレビュー書く際に説明したようなことをいちいち考えてはいないですし、そもそも僕の考えに従えば「秀逸なレビュー」が書けるとは自分自身で到底思えません。身も蓋もない結論で申し訳ありませんが、レビューを促進するイベントでレビューのハードル上げてたら意味ないですからね。好きなように、ゆるくやりましょう。

 ところで仮に僕がピックアップされたとして「図書カードは国際郵便で中国まで送付お願いします」と言われたらカクヨム運営はどうするつもりなんでしょうか。僕以外にも海外に在住している人はいるみたいなので、早急に「※図書カードの発送先は日本国内に限定させて頂きます」と記した方が良いのでは。いや、割と真面目に。

-----(「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」のレビュ返)-----

 七瀬夏扉@ななせなつひ 様
 ゆるいカーブを意識させてからの速球ストレートが見事にキマったようで何よりです。また、文章力を称賛頂きありがとうございます。筆致の巧さに定評ある方にそう仰っていただけると励みになります。
「ちんぽこ」についてはなんか思考錯誤することもなく最初に出て来た言葉が「ちんぽこ」でした。他の追随を許さない圧倒的「ちんぽこ」。人間性が疑われそうなのでこれ以上は止めておきます。

 アオヤマ 様
 人類全員が読むべきとまで言って頂き、誠にありがとうございます。自分の好きな作品の傾向と違うけれど心を揺さぶられたという感想は、それだけの作品力があったのだと実感できて非常に嬉しいです。アオヤマ様をはじめ様々な方に暖かい言葉を頂き、作者である僕もこの作品を書いて本当によかったと思っています。

 @mlilng123 様
 腐女子の中には「現実のホモは美しくないからNG」という層がいるそうですね。大好きな漫画が実写化したらひどい出来映えだった時のような心情でしょうか。何にせよ、良い方向に変わりして頂けたようで良かったです。

-----(「僕とぼくと星空の秘密基地」のレビュ返)-----

 深海 映 様
 本作はネット小説らしさが微塵もなく、あまりWEB受けする作品ではないのですが、逆にそこに感銘を受けて頂けたようで良かったです。様々な人間が様々な立場から様々なことを考えている。生きているのは自分だけではない。自分のことで手一杯にならず、それを自然と意識出来る人間が「大人」なのだろうなと僕も思います。

5件のコメント

  • もうすぐ春節ですね。バケーションでしょうか?

    レビューキャンペーン開催を受けて浅原さんのレビュー論が展開される気がして、待ち構えていました。
    自分がレビューした後にフォローや星が増えていないか、やっぱりチェックしますよね。
    浅原さん同様、私もレビューの手直しをちょいちょいやるんですが、メールでの通知に第一稿が全文掲載される仕様になったので「うわー」と思っています。

    レビュアータイプ、私は「主観型」ですね。
    拝読した作品の内側にいる状態で、そこで感じ取った価値観を言葉にしています(価値観という言葉が正確かどうかはさておき、便宜的にそう言っておきます)。
    注意したいと思っているのは「自分自身の価値観を押し付けないこと」でしょうか。
    紹介したいのは「作品が持つ価値観」なのだから、私自身のそれを前面に出したくないです。
    「レビュアーが如何に深く作品世界に同期できるか」によって、主観型レビューに表れる文面は変わってくると思います。
    私は、作品世界にしっかり同期して、レビュアーの個人的な影(例の身内臭とか)を薄くして、レビューの中で作品世界の価値観の一端を再現したいと考えています。
    作中のキーワードや印象的な言葉をさりげなく織り交ぜて、作者さんやほかの愛読者さんに「ちゃんと読みました」アピールができたらいいなとか。

    作品の価値観と自分自身の感情があまりにもガッチリ結び付いてどうしようもないこともあって、そういうときのレビューは自分の感情を押し付けるどころか叩き付ける勢いになるから、作者さんに多大なるダメージを与えてしまうのではと心配になります。
    ふわっと可愛げのある女子っぽい文章が書ければ、感情そのままでもさほど痛くないんでしょうが、私は突き刺すような素っ気ない文章を書きがちなので、どうにも。
    あと、気合い入れてキャッチコピーを付けるのが楽しいんですが、自作には付けられないくらい気合い入ってしまった(中二病全開!)のもあるのでゴメンナサイです。

    気付いたら長々と。
    お邪魔しました。
  • 氷月 様

     こんばんは。バケーションはバケーションなのですが休暇は土日含めて5日しかないという悲劇的な状況になっています。休み明け前に紅包を用意しないと……

     レビューの効果はチェックしますね。そしてトップページ更新ぐらいから効果が落ちている。僕はレビューはカクヨムの華だと思うので、どうにかして運営の皆様方に対策を打って貰いたいものです。なお通知は切っているのでメールの通知にレビューの第一稿が掲載されるのは初めて知りました。それは困る。非常に困る。

     氷月さんが「主観型」なのはそうだろうなと感じていました。実は今回の近況ノートに「主観型はレビューが短くなりがち(だから少し大げさなぐらいの表現がいい)」と最初は書いていたのですが、氷月さんを思い出して止めたという裏話があります。全然短くないな、と。
     レアなタイプの主観型だと思いますよ。主観型のレビューは滾る想いをガッとぶつける勢いのあるものが多いのですが、氷月さんのレビューは構成や表現に細かい配慮を巡らせているのが読み取れて、作品との距離感以外は客観型っぽいです。感じたことを打鍵する前に自分を俯瞰する――「主観を客観視する」というプロセスを踏んでいるからそうなるのではないかと勝手に推測しています。

     キャッチコピーを考えるのは自分も好きです。言うなればレビューのタイトルですから、作品およびレビューを十分に表現しつつ第三者の興味を惹くキャッチコピーが出来た時は良いレビューが書けた証拠だと思っています。

     まあ最終的には個々の価値観です。レビューを書くこと自体が目的化してしまわないように留意しながら、気軽にやっていきましょう。
  • 浅原ナオト さま。

    おはようございます。
    この度はフォローしてくださってありがとうございます。
    びっくりして手が震えました。
    雲の上の方だと思っておりましたので…

    レビュー、難しいです。
    私は読むのも書くのも恐ろしく時間がかかるので、まず新着レビューには載りません。
    作者さまにはお役に立てず、大変申し訳ないといつも思います。
    書き始めた時間じゃなくて、投稿ボタン押したタイミングにしてくれれば良いのに……
    私のレビューは直情型…
    物事を俯瞰から見下ろす能力に欠けているのです。
    一時期悩みましたが、感情に走っても好いじゃない!女ですもの。と開き直ってしまいました(汗)

    図書カード、「総額5万円」の煽りにほっこりしましたが(笑)
    エアメールは意外と安いので、中国にも届くでしょう(^ ^)
    海外で使えないことの方が問題かも。

    ありがとうございました!
  •  早瀬 様

     雲の上……そんなイメージですか?自分はむしろ地の底だと思っていました。あまり他ユーザーと積極的に交流しないのでレアキャラ感はあるかもしれませんが。

     レビューが反映されるのは普通に投稿ボタン押したタイミングだとずっと思ってました。実際にそうだった記憶もあるのですが……レビューへの入り方によって違ったりするのでしょうか。作品トップの「レビューを書く」から入るパターンと作品最終話の「レビューを書く」から入るパターンで違う、みたいな。たまにレビュー書いても新着としてトップページに紹介されないこともあったりして、レビューに関しては謎が多いです。

     俯瞰するしないはただの個性であって優劣ではないと思うので、別に悩む必要ないと思いますよ。逆に癖で一歩引いてしまう人間からすると直情的主観型レビューの勢いや熱を羨ましく思う場面もあります。僕の経験上、そういうレビューは集客効果も割と高いです。理屈ではない共感を得ているのだと思います。

     図書カードの金額はあれぐらいだからいいんでしょうね。下手に金額を上げると躍起になって良くない方向に走る輩が必ず出て来るので。強引に手を引っ張るのではなく軽く背中を押す程度に留めている良い値段設定だと思います。

     僕は仮にピックアップされたら実家に送るので大丈夫です。ただ、配送先の指定がないことを悪用する輩が出てこないかどうか心配だなあと。「ブラジルに住んでるからブラジルまで送って下さい><」みたいな。初評価キャンペーンと合わせて55名、匿名インターネットの世界でそれだけの数と関わればとんでもない輩が紛れていてもおかしくはないので。

     今後ともよろしくお願いします。
  • 浅原ナオト さま。

    こんばんは。

    レビューのタイミング、というヒントをいただいて入り様を変えてみたところ……
    見事『たった今』に表示されました!初めて!!
    いちばんに星を押したらいけないのか?イマイチ原因は分からず仕舞いなのですが。
    浅原さまとお話しなかったら、きっとずっと『23分前』とかのままでした。
    ありがとうございました。

    図書カードの配送先……
    私「カクヨム」に住所の登録したっけ?と、悩んでおります。
    当たったら(?)メールが来て住所を申告するとかなのかな?謎。

    こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
    ありがとうございました(^ ^*)
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