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第3回 Athhissya 本棚企画終了報告

今回は「言葉選びに注目して欲しい小説」という名前で応募していました。本棚リンクはこちらから。

https://kakuyomu.jp/user_events/16818093077816604007

評価基準とする課題は以下の5つでした。(当初は3つだったんですけど、あまりにもレベルがんんっ、だったので作品提出のハードルを高めるために5つに増やしました。)

[難しい表現使いたがりがち] https://kakuyomu.jp/works/16818093075666037277/episodes/16818093077406133046

[文章に隠し味を入れるには] https://kakuyomu.jp/works/16818093075666037277/episodes/16818093076754566090

[言葉に字面以上の意味を持たせる] https://kakuyomu.jp/works/16818093075666037277/episodes/16818093076816767053

[言葉に属性を与える] https://kakuyomu.jp/works/16818093075666037277/episodes/16818093077222272770

[1つのナレーションに、2つの世界] https://kakuyomu.jp/works/16818093075666037277/episodes/16818093077190717659

ところがですね。本棚に作品を提出しようとする人って、自分の作品は押しつけて読もうとするくせに、他人の作品や文章は一文字も読もうとしない傾向があるんですね。上の記事の内容が実践できてないくせに本棚に小説を置いていった作品は今回も恐らく20作品くらいあると思います。残ってるのは私の作品除いて2つですね。本当は1つ入賞枠として本棚に残しておいた作品があったのですが、そちらは詩でしたし、作者ごと消えちゃいましたので、入賞辞退として扱わせて頂きます。

では入賞3作品を紹介していきましょう。

①『燃える家』 砂糖 雪
https://kakuyomu.jp/works/16818093073975924216
本棚開設直後にやってきた作品です。私の本棚企画、開始数秒で一番乗りしてくる作品はレベルが高い傾向があるのかも。5000字未満の短編ながら、意図的に読者へ共有する情報を統制していて、クライマックスでそれまで読者の頭に生じたであろうハテナマークが一挙に解決される構成。作品の完成度、トップクラス。もう、この小説はこれ以上に手の加えようがない素晴らしさを持っていると思います。これで続編とか作ったら恐らく私はこの作品に付けた星3つレビューを削除してこの人へのフォローも解除しますね。
私のレビューはこちらから。
https://kakuyomu.jp/works/16818093073975924216/reviews/16818093077853444573

②『桜と君と、情欲の果て』 @sanbun_ao
https://kakuyomu.jp/works/16818093077860910336
「なんでか知らないけど死んじゃう少女と、」って概要欄のフレーズ良いですよね。文筆家なんて書きたいこと書くために筆を執ってりゃいいんです。変に理屈を与えようとするんじゃ無くて、変にマクガフィン的なオブジェクトを導入するんじゃ無くて、こうやって思い切り良く書きたいことだけ書いてれば良いんだよ。「なんでか知らない」し、知らないまま解決されないものを抱えた文学は「完璧な文章」ではありません。でも文学の文章って完璧である必要は無いんです。むしろ不完全である、だからこそ、読者の間で解釈のブレが発生する余地が生まれる。ウェブ小説作品の多くに足りないのはそういった思い切りです。欠如しています。
https://kakuyomu.jp/works/16818093077860910336/reviews/16818093077872976044

③『トライ・ゴティック』 Athhissya
https://kakuyomu.jp/works/16818093077253453127
私の作品じゃないですか。ええ、そうですよ。今まで書いた作品の中で過去一の言葉選びのこだわりを含ませています。それはもう、一文字一文字に辞書的な意味以上の役割を担わせているというか、全編を通じてゴシック的シナリオと、ミステリ的シナリオと、日常系的シナリオの3つを同時並行で進めるイメージで書いています。そうそう、タイトルの『トライ』は Try Gothic と Tri-Gothic の掛詞になっています。作品中にはゴシック属性を帯びた人物が何人か登場するのですが、1つの章の中に登場するゴシック属性のキャラクターは3人に制限しています。この属性を帯びた人間と、帯びていない人間の見分け方も、既に確立されています。現在公開を始めたばかりの第3章 [インマチュア・サイレン] の終わりまでに解決されない謎のいくつかは、よく読み込んでくれている賢明な読者であれば主人公の恵美よりも先に解決できてしまうはずです。フェアプレイの精神を実践していますからね。第3章のプロットメモを近況ノートにてサポーター限定で公開しています。気になったらどうぞ。第1章と第2章に関しては、私のトラブルシューティングにて解説記事を書くつもりですので、少しお待ちください。

さて、以上で3作品の紹介を終わります。次回予告ですね。
第4回 Athhissya 本棚企画 「詩が嫌いな人の詩」

詩が嫌いな人の詩を募集します。ルールは3つです。

①第2回 カクヨム短歌・俳句コンテスト応募作品であること。
部門は問いません。が、恐らく連作部門でないと厳しいと思います。

②なぜ詩が嫌いで、なのになぜ詩を書いているのかが読み取れること。
お手本として私の詩を下に置いておくので、読んでみてください。

③私が『小説トラブルシューティング』で書いた記事の内容を何か1つでも実践してる作品であること。
https://kakuyomu.jp/works/16818093075666037277

とくに短歌・俳句って文字数が少ないので、[少ない文字数に多くの意味を込める]テクニックについて論じた記事(そういうタイトルの記事自体はありませんが)を参照して頂くと、最後まで残れる作品が書けるかも知れません。

以上の3点が満たされていれば全ての作品が入賞します。頑張って下さい。

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