享和三年（一八〇三年）出雲の国から五人の娘が旅に出た。 観音菩薩を祀る西国の三十三霊場を巡る、 西国三十三所観音巡礼の旅である。

前回までのあらすじ 孤児院に預けられていたメルドは細菌を視認できる能力を認められふんにょーらぼに仮採用される。 毎朝自分のウンコに潜む腸内細菌を観察し悦に入るメルド。 ある日、糞…

気が付いたら幽霊だったのよねえ。 しかもなんにも覚えてないし。 成仏できずに現世をさまよっているってことは、何か未練でもあるのかなあ。

ふたりの出会いから破局までの道のり。 前半は彼の日記。後半は彼女の日記。 彼：無職。FXで生計を立てている。 彼女：ファミレスの店員。ゲームとアニメが好き。

大陸が魏、呉、蜀の三国に分かれ覇権を争っていた時代、 東方に倭と呼ばれる島があった。 倭には数十の国があり長らく戦乱の世が続いたが、 一人の女の出現により一国を除いて混乱は収束し…

無事志望校に合格したボク。 間もなく始まる高校生活を夢見ながらゲームに励む毎日。 そんな四月のとある夕方、食卓に見知らぬ女子を発見する。 金髪、白い肌、碧眼、どこからどう見ても外…

元禄十三年十二月六日、常陸の国水戸徳川家二代藩主、徳川光圀は七十二年の生涯を終えた。 死ねば藩主もただの亡者。冥土で閻魔の裁きを受けた。 が、 「光圀ね。はい、文句なしに地獄行き…

天文二一年三月、尾張の豪族織田信秀は四十二年の生涯を終えた。 家督を継いだのは嫡男、信長。 「尾張のうつけ者」との評判通り、葬儀場となった萬松寺へ粗野な格好で遅参した信長は、位牌…

大学生の渋川清右は古本市で「月暦仏滅御伽物語」なる古書を手に入れる。 その夜、清右は海辺に立っていた。 目の前には亀、そしてそれをいじめる子供たち。そう、それは浦島太郎の世界。…

明四津日乃出は自宅警備員である。 この職に就いたのは８年以上前。今年３１歳になる日乃出の自宅警備員としての腕前は、既にベテランと呼べる域に達していた。 築７０年を超える自宅には…

　僕の高校生活は灰色のスタートだった。 　一ヶ月前の中学の卒業式、意中の彼女に思い切って告白した僕は、完膚なきまでに叩きのめされてしまった。しかもその野武士のような彼女と、高校で…

　時は元禄、江戸時代。一万石の大名にして志麻国の領主である比寿家。その一人娘、恵姫は海水を制する力の持ち主。 　釣りをしたり昼寝をしたりしてのんびり過ごす恵姫の前に、ある日一人の…