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自分の読書会のこと

相変わらず月に一回のペースで、自分の主宰する読書会を行っている。

比較的順調に進んでいて、人数も増えてきて、うんと困った問題は特にない。本を選ぶのも以前は「無理ゲー」に近い感触を持っていたのだが、今は参加者の感想やアンケートほかを参考に選んでいるし、次第次第に人間関係もこなれてきて、せいぜい選書の難しさはパズル程度、詰め将棋でいうと三手詰めレベルくらいである。

で、昨日も例会があって、時代小説のアンソロジーの感想を聞いた。

驚くべきことに「山本周五郎を熱烈に好きになった」、という参加者がいて、この主人公の職業に関する矜持がたまらんとか、ある女性Aとくっつくかと思っていたら別の方に行っちゃって意外だったとか。

確かにそれはもう「山本周五郎あるある」と言ってもいいくらいで、特に「ヒロイン候補ではなく二番手、三番手の女性と……」という流れは、漫画「柔道部物語」でもあるし、私の見るところではあの「スラムダンク」もちょっとそれをやりかけていたように見える。

それは余談だが、とにかく山本周五郎の力を思い知らされた。「どうして山本周五郎は直木賞をとれなかったんだろう?」という質問に「断ったからですよ」と教えてあげたら「ますます好きになった」と興奮していた。

次回は倉橋由美子なので、そっちの解説もしてみた。自分は昔から倉橋由美子が好きなのに、考えてみると人前で一度も説明したことはなかったし、まあ話題にすらしない(できない)。話を聞く側も、おそらく一生のうち最初で最後の機会ではないだろうか。そう考えると貴重な経験であった。

4件のコメント

  • 倉橋由美子さんは『アマノン国往還記』の方ですかね?
    山本周五郎さんはなにも……たぶん、読んだことないな。
    ふーむ、読書会の話題好きです。

    私は今日は自己啓発本みたいなやつを勧められてしまい(Rachel Hollis's 'Girl, Wash Your Face: Stop Believing the Lies About Who You Are so You Can Become Who You Were Meant to Be.')、顔が虚無になりました。そういうんじゃなくて、もっとこう……。
  • >倉橋由美子さんは『アマノン国往還記』の方ですかね?

    正解です!若い頃に読んで感激した作家は色あせることが多いですが、ちょっと倉橋由美子は別格ですね。65年に書かれた「聖少女」が今でも古く思えないし、凄いです。


    >山本周五郎さんはなにも……たぶん、読んだことないな。

    山本周五郎の作品には結構「いい男」が出てくるので、西フロイデさんの小説の参考になる点も多いかと思われます。昨日の方にも勧めたのですが、山周好きとしては「さぶ」とか「赤ひげ診療譚」などから入るのがよいと思います。去年の夏ごろにも「さぶ」は再読しました。
  • >山本周五郎の作品には結構「いい男」が出てくるので
    >小説の参考になる点も多い
    へえー!
    いいなぁ。そして、興味をひくような紹介がお上手ですね!(笑) なんとなく読んだことなかったんですが、急に読みたくなりました。
  • 山本周五郎の描く男性像、女性像、話の進め方や結末、これら全ては西フロイデさんのお書きになる予定の創作論にも役に立つと思います(笑)。
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