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法螺話の魅力

自分は前々から法螺話が好きで、驚きと呆れが同時に来るような話、ツッコミを入れる気にもならないような壮大な話、大げさなレトリック、とぼけた味わい、飄逸さ、ナンセンス性などが含まれているとますます好みである。

しかし、具体的に「これ」という有名なお手本を挙げるのが難しい。ラファティ、カルヴィーノ、ラテンアメリカ系の小説家、江戸時代の戯作本、あとは落語などだろうか。

アメリカの法螺話も好きで、何で読んだか忘れたがこういう話がある。

カナダの森林の、山の頂上に近いところで木を切り倒すと、麓に向かってゴロゴロ~っと転がって落ちてゆく、という。

勢いが余って、向かい側の山にまたゴロゴロ~っと登っていって、またゴロゴロ~っとダイナミックに転がり落ちてくる。

Uの字を描くように、何度も往復運動を繰り返している。しばらくしてから静かになったので、見に行ってみたら、爪楊枝が一本落ちていた……。

という話。

いま書いている「趣味があらすじ」という話も、分類するなら法螺話のようなところがある。

しかしどちらかというと「こち亀」に出てくる両さんの儲け話のような感じに近い。読みながら「嘘だろ」とか「しょうがねえな」と思われたい。

「こち亀」は儲け話の他にも独自のテイストの法螺が結構ある。オリンピックの時だけ目が覚める人とか、途轍もない金持ちとか、キャラクターがすでに法螺話っぽい。

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