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「火の鳥(乱世編)」続きの巻

乱世編を3分の2くらいまで読む。清盛が死んで、平家が次第に弱まっていくあたりまで。

平氏一門を京から追い払った木曽義仲がまた碌な人物ではないので、どのへんに正義があるのかないのか、

「悪が滅びて正義が勝利した」

という単純な構図になかなか収まらない。

子供の頃は「平家物語」を知らず、この話が歴史そのままとも考えておらず、右も左も分からずに読んでいたかと思うと興味深い。

確か、朝日ソノラマ版の冒頭には作者の言葉があり「乱世編には本物の火の鳥が出てきません」とはっきり書いてあった記憶がある。

連作長編という概念も子供が理解するにはやや難しいものだが、その中でもまた例外的な存在ということになる。

しかも、さりげなく電話が出てくる場面すらある。いかにも「ギャグですよ」という風に描写するのではなく、ごく自然に描いているのも奇妙である。この場面を見て手塚治虫のイージーなミスと捉える人はいないだろうし、皆が皆、「ちょっとしたジョーク」としてスルーしているのかというと、そこまでリテラシー能力が高いのかどうか、これも疑問に思う。

一般に乱世編は暗く暴力的で、救いがないと思われているようで、それは当然なのだが自分は妙に惹かれる。

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