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謎解き「夢三十三夜」 その1

自作に質問のようなコメントがついて、自分で考えてみてもわからないことが時々ある。

今日は「夢三十三夜」の「第六夜:玉座の間」にコメントがついて、自分でも何だこの結末は、と思ってしまった。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884705999/episodes/1177354054884850965

しかし「意味なんてないのかもしれません。でも、もし意味があるのなら教えていただきたいです。」と謙虚な感じで質問されると弱い。

それでよく読み返して考えてみたのだが、どうも山本周五郎の「赤ひげ診療譚」の中のエピソードが元になっているように思う。

本作は「赤ひげ」というタイトルで黒澤明によって映画化されている。原作の中のかなりの部分を忠実に描いているものの、自分が感銘を受けたのは映画では扱われていない、家賃を取らない長屋が出てくる話である。

このエピソードの最後の部分がとても鮮やかで、何というか、かつて読んだことのある、あらゆる小説の“落ち”の中で、最も鮮やかな決まり方をしている落ちなのである(そういえばこの話については「創作論のメモ」でも触れたような気がしてきた)。

この結末へのオマージュのつもりで書いた、と理解してもらえれば、何となく作者の意図のようなものは感じられるかもしれない。ただ、そういった補助線がない限りは、私の方の話はどうしても意味のない話に見えてしまうし、説明不足ということにはなってしまう。

で、「第六夜」は「第二十八夜」と一部でつながっているので「変な繋がり方してますよね」というのが一番のアピールしたいポイントで、私の中では「さっちゃんと母親の二部作」になっている。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884705999/episodes/1177354054885498022

誰も気づいていないかもしれないが、これはよく分からない母子の、長い期間にわたる物語の一部分なのである。いうなれば私流の「義母と娘のブルース」である。

ちなみに今夜はいよいよ最終回なので、皆さんはドラマを見終えてから「夢三十三夜」も読まれるとよいでしょう。

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