「熊 テディベア」を含む小説

人は死んだら、熊になる。ぬいぐるみが置かれる。テディベアが鎮座する。死んだサエちゃんの机には、花ではなく、かわいらしいテディベアが手向けられていた。

生きる希望を失って死に場所を求め森をさまよう”私”は、大きな熊に出会った。丸々とした可愛らしいフォルム。つぶらな黒い目。体中を巡る縫い目。それは間違いなくテディベアだった。 「…

　大学生の佐東冴若（さとう・さわか）は、〈おし〉のアニソンシンガーの秋の全国ツアーを〈全通〉する為の費用を稼ぎ出すために、夏休みの間ずっと、炎天下の中、着ぐるみショーのアルバイト…

とりとめのない夢のような、奇妙な話たち。 ひとつのお題に五話ほど。ひとつひとつは数百文字。Twitterサイズですが書き下ろしです。 〈サンプル〉 1.いろいろなテディベア 「…

　年老いた魔導士が死んだ。自分の死体を眺め、野心に燃えた若い頃を思い出す。神殿の封印されていた禁忌の術を見つけ、国を欺いた罪。隣国へ命からがら逃亡し、森の女に救われたこと。彼女に…

僕は熊五郎。 初めてはるかちゃんに会った時から、彼女に恋をしたんだ。 あの日から、晴れの日も、雨の日も、雪の日も、風の日も、 ずっとずっとはるかちゃんと僕は一緒。 「人形」をテ…