「宮廷ロマンス」を含む小説

村で薬師として過ごしていたセラは、 ハープの音に宿る才を王弟レオに見初められる。 その出会いは、静かな日々を終わらせ、 彼女を王宮の闇と陰謀に引き寄せていく。

マリアムには、もはや判決が下されていた。 二日後、王太子アーサーの誕生祭で——彼女の婚約が発表される。 厳格な家に育てられた彼女には従うことが当たり前だった。 だが、ひとつだけ…

　触れた相手を安らぎに導く不思議な手を持つ撫子は、どんな子どもも眠らせるという評判から子守りとして男爵家に勤めていた。けれど孤独な身の上で、幼い頃から愛されることを知らなかった。…

アルドリアはこれまでになく不安定だった。 民は飢え、畑はまだ戦争の傷跡から回復しておらず、玉座はこれまで以上に遠く感じられる。 私はアラリック、王太子。 そして父王マグナスが、…

王都に“朝露の罰”が広がった。ある日を境に、宮廷記録官の娘リラは誰からも毎朝忘れられる。証言も勲功も、人脈も一夜で白紙。唯一、王太子カイルだけは彼女を忘れない。理由は不明、だがそ…

花嫁なんて、なるつもりなかったんです。 誰かと争うのも、目立つのも苦手で、ただ静かに、穏やかに暮らしていければそれでよかった。 なのにある日突然、王子の“花嫁選抜戦”に巻き込ま…

　オクシタニア王国。クイーンズカレッジ本科生の卒業パーティーでのこと。 　トマスモア伯爵家の長女。エスメラルディーナは、己に無関心な婚約者ではなく、兄セザールの付添で会場に乗り込…

文化も容姿も違う四民族が住まう多民族国家、エリストリア連合国。 二百年前に統合されたその国では、異民族同士の仲が悪く、政界は荒れていた。 何よりも力が物を言う赤髪赤瞳の民族、東…