「泣ける」を含む小説

「かすみ草の花の種、植えたいの」 治らない病を抱えた女性とその恋人の話です。 彼女の笑顔はかすみ草の白い花のようにいつも輝いていた。

「桜が綺麗で、見ていたら遅刻しました」 12月のある日、そんなことを言う転校生の雨笠涼音に目を奪われた。 「世界で一番素敵な景色を見つけたい」 良い子を演じていた僕と半ば強引に始…

ぼくの名前は中村ピースケ。セキセイインコさ。 ぼくは優しいパパさんとママさんに愛されて、とっても幸せ！ そんなぼくの前に現れた燕のハヤトの存在は、そんなぼくの心をかき乱した。 荒…

或る男の生涯の物語。そこそこ不自由なく生活していた彼が、そこそこの幸せを手にしかけた時、大事なものを失う。自暴自棄となりどん底のまま人生の終わることとなるが、そんな折、不思議な指…

飲み屋のおやじと女性客の大人の夜話

　空くんのお家で幸せな猫生をまっとうし、虹の橋を渡った三毛猫のミケランには、たったひとつだけ心のこりがあった。ネコ神様の不思議な力を借りて、少しの間だけ人間の女子高生として下界に…

魔界四天王、淫魔侯インゾルゲに囚われた聖騎士セレナ。 淫魔城爆散という予言された未来を覆すべく奮闘するインゾルゲと、魔物に理解を示しはじめるセレナは、立場やその他の様々な障害を超…

【爪先からはじまる熱と恋】 切ない、寂しい、愛おしい、幸せ、苦しい、辛い、愛の全ての感情を描く愛の物語。 主人公　 緑川　蒼（みどりかわあおい）　25歳 接客業をし…

フィクションになります。史実と異なりますのでご了承ください。 高校生の明と美鈴は恋人同士で、海辺で戯れたり、動物園でデートをしたり青春を謳歌します。 そして、転校、婚約と話は時…

年末に派遣の仕事をクビになった俺。 クリスマスムード一色の街の中でも俺はひとりぼっちだ。 俺は絶望の淵にいた。だから、ある決断をした。 しかし、その時オカメインコのチッチが──！

転勤後のサラリーマンの奮闘を描く短編小説です。 本社の営業部門に勤務していた『俺』は、五年前初の転勤を命じられた。 行き先は社内で『最果て工場』と揶揄される古い工場で、かつ職種は…

【短編】静寂の声音（こわね） 発声が上限に達すると死んでしまう静かな世界で、彼女だけは死を恐れずに声を出し続けていた。

毎日担任の先生の車で送迎してもらっているのは、私が足の不自由な特別な生徒だから。 そんな特別よりも、もっと特別な側にいられる理由がほしくて──。 これは三年間の長くて短い私と…

人間やエルフなど、さまざまな種族が存在する世界・ラーフェシュト。 親によって売られ、過酷な日々を強いられてきた人間の少年オディオは、魔者の少女・アイファと出会う。種族は違うけれど…

新社会人としてスタート切った、春野二葉は、せっかく住み始めたアパートを立ち退くことになり、部屋探しを始める。しかし、なかなか見つからず、途方に暮れたとき、現れた謎のおばあさんの …

ヴィシーという名の月猫（ムーンキャット）と暮らす男の〝泣ける〟話

　消えたい―― 　満月の夜、そう願ったわたしの前に現れたのは、不思議なクラスメイトだった。 　自らを魔女と称する彼女は、願いを叶える代わりに、花魔女見習いとして、この世にとどまる…