「短編純文学」を含む小説

シングルマザーに育てられている兄弟と一人の少女の出会いを弟（僕）の一人称で描いた短編。 お兄ちゃん：年長さんの男の子。近所の遊び場である境内でいつも遊んでいる。 僕（主人公）：い…

飾られなくなった五月人形。そのずしりとした重さは、いつしか家族それぞれの心に、異なる記憶と感情を刻んでいました。妹が感じる漠然とした不穏さ、母が抱く過去への郷愁と身体の衰え、そし…

ヨルシカさんの「へび」を小説にしてみました。 主人公の津島葉蔵が幼馴染、柚希の死を数年越しに乗り越える、鉄道旅の夜のお話です。 SF要素があるのはGQuuuuuuuXに影響された…

級友に里山という男がいて、こいつがまったく愚鈍であった。 頭の回りが遅く、いつもだらしのない顔をしていて見ていると腹が立ち、私は彼が嫌いだった。苦労も悩みもなく、将来の憂いを想…

　小学校六年生の夏休み。 　家族で遊びにきた森の中で、間宮涼太は一人の（自分と同い年くらいの）水色の花柄のワンピースをきたお嬢さま、秋月恋と出会った。

命の終わり、時間の終わり、関係性の終わり── 「終わり」を迎えるその時、人は何を考えるのか。 終わりの瞬間をテーマにした短編集です。

彼との再会は、過去の関係を更新することではなかった。 冷却期間を経て交わした身体は、もう「愛」ではなく、執着と未来への淡い希望に変わっていた。 年齢や現実に揺れる女の心の機微を、…

　 ちかこが見ていたテレビに映ったのは、1度だけ会った男、武山優一。ニュースを見たちかこは50年前を思い出していた。 ちかこが偶然出会ったのは若い頃の優一と元ヤクザの親父さん、…

最初は、ボールだと思った。 それが生首だと悟った時、忘れていた記憶が炙り出される

ひとりだった海辺に、ふたりの影が落ちた。 傷を抱えた青年と、秘密を抱えた女性。 すれ違い、笑い合い、手を取り合って―― それでも、誰にも消せない朝がある。

善意の嘘でも、悪意ある嘘でもない、みんなが嘘だと気づいている儀式のような嘘もある。先日、会社の飲み会で突然『インドに住んでたことがある』なんて嘘をついてしまった私と同僚とのやり取…

また一つ、波紋が広がっていく。…

俺は学生時代はギャルゲーのような生活を送っていた。 美人の上級生や親しみやすい幼馴染やウザがらみしてくる後輩の女の子……そんな子たちに囲まれた青春を送っていた。 だが、結局は…

　少し前に野良猫の多い海辺の町に引っ越してきた社会人、愛園 夏鈴(あいその かりん)は、猫かぶりが得意だった。いつも猫撫で声で喋って、他人の機嫌をとって、他人に取り入って……そん…

夢日記。ぼくの代筆。

10年前、高校生だった僕たちの後悔と淡いきらめきについて。 社会人になり早数年、高野はある映画のリバイバル上映を観に、母校の街へと訪れた。 コッペパン屋のおばあちゃん、体育の授業…

　ようこそ、とばりが丘団地へ。アタシはこの団地の大家だよ。早速この団地のご入居をお望みかい？　生憎古い団地だから、いい部屋は売れちゃってるけどね。……なんだ、入居希望者じゃないの…

どちらかといえば日陰者の主人公「紅粉（べにこ）」と堅気な「迪（ふみ）」の織り成す世界。出逢い・日常。 そして朝露のような発露。

永遠に続くと思われた幸福な日々は突然終わりを迎えた。 遺した思い出と、遺された二人の話。 ※この小説には微量の百合要素が微妙に含まれます 　　　　　 【水平線純文学＆文芸フェス】…