「​円城塔賞」を含む小説

　コンテスト最低文字数でどこまで怖くできるか――そう思ったので書いてみました。 　1話で終わらせる気でしたが、何話まで書けるか続けることにしました……が、予約投稿にて無事完結しま…

警察犬調教師調教師の武田花と、 警察犬調教師の冬鳥雛と、 警察犬のタマゴが挑む、 『香りの密室』事件。

【あらすじ】 　三原則の禁止事項の文言が流れる社の下に『殻』という卵が一つ、剥き出しで置かれていた。気になった主人公はその卵に触れようと近付いた瞬間、鼓膜を揺さぶる少女のけたたま…

猫好きの男子高校生が出会ったのは探偵であった。 （ビスマスの結晶を見たことのない方は、ぜひ一度見ていただいた方が、この作品をより一層楽しめると思います。）

死に往く者の言葉を記すことを生業とする男の話。 大正の世、現代よりも生と死が表裏一体の時代。 男は死を待つ人の元を訪れ、その言葉を紙に認める。 連載をしている長編「晴ル日々…

主人公・高槻（たかつき）あかり（24歳・会社員）の生活は、人気絶頂のアイドルグループ「STARDUST」の最年少メンバー、ユウ（18歳）への「推し活」で完璧に満たされている。グッ…

二十四歳の高島雄一が昼間の地元の小さな町を歩いているとドン、という音が耳に届く。 周囲を見渡した後に、雄一の目に飛び込んできたのは……。

「和樹、結婚するときに私言ったよね。子供は欲しくないって」 　もう何度目だろうか。また同じ話をする。 「わかってるよ。でも、気持ちが変わったりすることもあるでしょう」 「ないよ」…

有給を使うことにした。年間５日は有休消化しないといけないのだ。休みを取ったところで、やりたいことなんてないのに。

僕はもう、数年は家から出ていない。いや、出られないのだ。ある時、仕事から帰ってきて、倒れこむように眠り、そのまま、外に出られなくなってしまった。

空を見ていた。 今日も太陽が地平線から登ってくる。なにもかもを覆い隠す夜から、生き物が息を吹き かえす昼へと世界が変わっていく。まばらにある雲は、乾いた風に乗っている。薄く色が付…

※特定の人物・団体とは一切関係ありません。すべてはフィクションであり、構文のパロディです ※特定の人物・団体とは一切関係ありません。すべてはフィクションであり、構文のパロディで…

「何を書いてるの」 「ん、昔の事を書こうと思ってね」 「何で？」 「何があったかを書いたら、何かの参考になるんじゃないかって言われたから」 「じゃあ～、私もこういう風に～、喋った…

心が疲れてしまった人が、ごはんを作って食べて元気を出す話。

「＿＿もしも、来世があるのなら、生まれ変われるならば、その時は友達になりたいね」 「＿＿同感だ」 友人になれなかった二人の物語。

歌舞伎町にあるボッタクリバーで働く主人公は、気まぐれで助けた青年に水溜り内の竜宮城へと案内される。半信半疑で水溜りに飛び込むと、そこには煌びやかで夢のような水中世界があったのだが…

山間の酒蔵、今年も最高の出来 【県内北部】山間の集落にある老舗酒蔵で、今季仕込みの日本酒「白酔霞（はくすいか）」が例年以上の評価を得ている。蔵元によると、香りの立ち方と口当たり…

崩落寸前の軒先、がらんどうの部屋。
 一人の男が瞼を上げれば、埃の匂いが冬の寒気を吸い込み、乾いている。
 視界の端、うごめく影に顔をしかめた。
 同じように床へ転がり、同じよう…

「冠省」から始まる肉筆の手紙を受け取った杏子。それは彼女と二年を共に過ごした後、連絡を絶った圭吾からの最後のメッセージだった。