「ちょっとシュール」を含む小説

　時は2020年。東北の田舎に住むとある男子学生が居た。名前は鶴川裕二。そんな彼は、ある日、自宅の外で 　苦しんでいる鶴を発見。哀れに思って、一晩世話をしてやることにした裕二だが…

その犬は鳴かなかった。声を失っているのではない。ただ鳴く機会を伺っているのだ。母親の虐待がもとで、恐怖のために声を失ってしまった赤ん坊。彼らはいつも寄り添うようにぴったりと体をく…

僕の行く手はいつも雲の中のようにぼんやりとしている。頼りにしている道しるべの「線」は、途中で途切れてしまう。あっちに行ったり、こっちに行ったり、しているうちに、気づくとみんなは怒…

彼には盗癖があったが、運命的に出会った彼女との平凡な幸せを夢見て、まじめに暮らそうと努力する。ある日、彼女は祖母の形見だというペンダントを彼にみせる。涙型をしたそれは不思議な色に…

異物として異世界に転生させられた髪の毛が薄いおっさん。 気が付くと全裸で町の大通りに立っていた。 しばらくすると衛兵に声を掛けられ、異世界に来て早々無実(?)の罪で捕まってしまう…

「昨日、眠っていたら枕元に神様がきてね、私を天使にしてくれるって。そう言ったの」さゆりちゃんは言った。私はさゆりちゃんがうらやましくて、さゆりちゃんのお弟子さんにしてもらうことに…

ランドセルの中には色々なものが詰まっていた。けれど、どの中身も僕の興味を引かない。ランドセルには毎日、与えられたものが詰め込まれていく。やがて、ランドセルはいらないもので溢れかえ…

僕はドーナッツが大好きだ。僕は家族から離れ、施設に入れられた。でも、家族はつながっている。ドーナッツのように。ドーナッツの上を歩いていれば、いつかは元に戻ることができる。

子供の頃、６本指の男の子がいて、私はその子に憧れていた。何か自分だけの特別なもの。私だけの大切なもの。私はずっとそれが欲しかった。ある日、健康診断で見つかった小さな肝のう胞。それ…

きりんは僕の通う店にいた。彼女の願いは叶えられた。けれど、願いが叶い過ぎた彼女は不安を抱えている。心配しすぎて不眠症のきりんと間もなく寿命を迎える僕、ねずみ。僕らが望むのは、ささ…

２７才の柚香の毎日は、発達障害（ＡＤＨＤ）特有の「あるある」満載。 人知れず工夫もしているが、会社でも家でも失敗つづき。 先輩たちは温かく指導してくれるものの、障害の知識がない励…

ボクは友達をつくらない。無理なんだ。あんな奴らと一緒に居るのは。だってあいつらの背中には……。 原稿用紙４枚程度の掌編なので、サクっと読めます。 無断転載禁止。