「かいわぶん」を含む小説

あらすじ 令和2年。 父・橘京介の葬儀を終えた息子の橘信介は、遺品整理の途中で古ぼけた数冊のノートを発見する。 それは、父が昭和50年に妻・美咲へ向けて書き続けていた“愛妻日記…

教室の隅で息を潜める私と、太陽のように笑うクラスの人気者の君。 住む世界が違うはずの二人が出会ったのは、誰もいない放課後の山岳部室だった。 「一緒に、山、登らない？」 君が差…

普段はどこかぼんやりとしていて、何処か活発な、けれども決して愛想を忘れない鏡花であるが、メタ認知がフル稼働している時には其れが削ぎ落とされる。 無駄を嫌い、しきたりを嫌い、何とな…

「奴隷少女」は自我が芽生えた時から奴隷だった。彼女はずっと縛られていた。いや、縛られていたというのならそれは生まれた時からだろう。なぜなら「奴隷少女」は盲目だったからだ。これはそ…

官邸地下で“ひと呼吸ぶんの沈黙”が落ちた。計器は正常、なのに脳が遅れる——酸素は、静かに減り始めていた。 当たり前にあると思う空気。特に酸素は人間や生物が生きてゆく上で必須のもの…

――小さな町の小さなホテルで 　小さな町の小さなホテルには、誰にも 語られない“事情”を抱えた人々が集まって 　いる。 　世界を二十年渡り歩き、ようやく日本に 　戻って…

幼児の視点から描かれる物語です。 かんたんなにほんごのべんきょうにつかうのもよし、 おおきなひとやちいさなひとによみきかせしたり、させたりするのもよし、 幼児の記憶を思い出したり…

オケ。答えてあ・げ・る！

コンビニの休憩室。 ベテランと新人、たった十分の昼休み。 柔らかい雑談の裏で交わされる小さな牽制、 そして次のシフトへ向けて静かに芽を出す闘争心。 店の裏側に潜む“無言の勝負”を…

冒険者だった父が、仲間と共に奈落で消息を絶った。 残された少年は“無詠唱”の才能を持ちながら、属性適性がないせいで魔法を形にできない。鍵はあるのに、扉がない――それは、誰にも理解…

青嶺高校自転車競技部に所属する高校生・真瀬琉哉は、ある日、奇妙な出会いを果たす。 ストップウォッチを奪って走り去った少女──布施利他。 訳がわからない。けれど、目が離せない。…

すべてをなくした『ゆうしゃ』の おんなのこ が いました。 すべてをすてた『まおう』の おとこのひと が いました。 ふたりは であって ころしあいましたが、ふと きがつくと き…

名門・青嶺高校自転車部に入部した馳 悠斗は、 周囲のテンポに馴染めず、距離を測りながら過ごしていた。 そんなとき、部室の片隅で耳に入ってきた少女の声。 「物体Bが気まずそうで─…

　公爵家に嫁入りしたアンリエットは、結婚直後に「君を愛したくない」と夫となったダニエルに告げられた。 　とはいえ、子を生めない嫁は冷遇されるのが常だ。今は良くても後々のことを考え…

　父親の都合で引っ越した綾子は、隣に住んでいた少年と出会う。ぶっきらぼうで生意気な少年と、綾子の長いようで短い6年間の物語。

旧会社の企画部には、 アニメーションも動画もグラフ連携も全部盛りにしてくる 自称「創造神」課長・御堂がいた。 ・タイトルスライドでロゴが回転 ・世界地図が光り、グラフがうねり、動…

森の奥の小さな家。そこには「分かち合い」を美徳とする幸せな家族がいました。 美味しいクッキーを分け合うように、喜びも、悲しみも、そして「愛」さえも、兄妹は等しく分配しようとします…

探偵と三毛猫が紡ぐ、少しヘンテコな短編連作。 ひとつずつ、曖昧な世界がふくらんでいきます。 三毛猫さんワールドへようこそ。 （以前の短編とはちょっと違った趣で、いったん7話で…