「ファンタジー文学」を含む小説

目が覚めて、夜明け直前の海辺の砂浜を歩く。 ９回目の夢が終わったとき、思ったよりも穏やかな自分がいた。 できる限りはやり切ったと思えるから、一言残すなら――

それにしてもいわゆるケルト人に関する知見がだいぶ変わってしまっているようで……。 いずれアイルランド文芸復興の解釈なんかにも響いてくるのでしょうね……。 そうするとホームズ解…

信貴山城の戦いで討ち死にした俺は、死んだはずだった。だが、久秀の平蜘蛛釜に宿る土蜘蛛の怨念が、俺をこの世へ引き戻した――雪に閉ざされた、見知らぬ信貴山で。 彷徨う中、かつての仲…

あの海に還らなきゃ。 或る海辺の街を訪れた女性。夜な夜なひとりでタクシーに乗った彼女の目的とは……。 『懐郷』をテーマにしたためた掌編、さくっとお読み頂けます。

デントン・ホワイトという男が自分の意識の中で凍りついて横たわる病院に手紙が届いた。それは空手道場と時間旅行、砂漠の温度計と娼婦たちが遊ぶピンボールマシン、狂人が知恵を見つけ、正気…

主人公ヤスと、透明人間とのお話です。ヤスが、自分の運命とも、向き合う物語でもあります。

４色の目が、最後を導く話です。短編です。

ファンタジーに近いものです。１１歳から、病気で、体が成長できなくなった、王女の話です。

制作：松村龍輝

最も美しい場所を失った貴公子こと美貌の怪傑『麗人薔薇柩』が幻想世界の庭園『薔薇庭園（ゴレスターン）』にて様々な出来事・幻想的事件・寓話的登場人物との出会いと対話、戦いを繰り広げて…

大病院の息子として、ただ求められるのは成績だけ。幼い頃から孤独感しかなかった惣介。そんなとき慰めるように薫る甘い薫り……。

『１２秒』という、時間を元に作りました。『他人』の中で生きる『魂』の、悲話です。

西の果ての村に住む青年クルトゥスはあるとき、王が変わると知った。新たなる王が暴君ならば、クルトゥスやその母、妹の命もない。ならば私がなると決意したクルトゥスは長い長い旅に出た。王…

死神には生命のが消せると、多くの物語に記されている。だけど、わたしたちに火を消す権利などは無く、ただ、生命の側に行き、灯が消えるまで寄り添って、お話をする。 それがわたしのお仕…

すべての星が夜空から姿を消して一年。真っ暗な空の下で、神様の娘スピカは、自慢の「星のコレクション」を誰にも見せずに抱えていた。 しかし、花畑で出会った少年レモスは言う。「その星を…

廃寺に、古い雀の依代を使う神が住みついた。その時、村八分とされていた小僧が廃寺に辿り着く。 そんな小僧の姿に、雀はどこか惹かれるものを感じーー。 読んだ後に何処か暖かくなるよう…