「純文学…？」を含む小説

優秀な双子の姉と、その隣で生きてきた僕。 比べられることに慣れ、期待されない立場に落ち着きながら、いつの間にか自分が何者なのか分からなくなっていた。 本作は、小学校から大学、就…

十九世紀末ヴィクトリア朝。文化の中心であるロンドンから長閑なカンタベリーへ向かうレオンハルト・ハワードはロンドン橋で一人の少年と出会う。レオンは、少年の正体を突き止めようと試みる…

森にある、毒性の底なし沼。 そこに落ちた男は、死んだはずの朝に目を覚ます。 しかし彼の身体は、もはや人のものではなかった。 触れたものは濁り、崩れ、生命を失っていく。 水にも、…

EXIT それは『死』を美化した装置であり『命』の価値を定めた装置だった。 小説家の樹は妻・恵子の支援により『芸術的な小説』を描く天才だった。 しかし恵子が難病に罹り、治る見込…

言語化能力（プロンプト）が貧富を決める近未来。システムが認識できない「ノイズ」として生きる二人の芸術家が、世界の最深部で奏でた静かな抵抗の物語。

何気ない一言の背後に、思わず足を止めたくなるような静謐な気配が宿る。 そっと開かれる扉の先に、忘れかけていた感情や遠い記憶が、静かに立ち上がってくる。 過剰に語ることのない端正…

2000字ぐらいの単発作品のまとめ ジャンルは色々 純文学多め。たまに恋愛やミステリーっぽいものも

私は夜行バスに乗っていた。 行き先は思い出せない。 ただ、夜だけが、まだ続いていた。

沖縄で育った少女、らかん。美しいが幼い母、めるろと母が唱える亡き父〈オンダ〉の名。父母にいびつな感情を抱えながら、らかんの人生は目まぐるしく変わっていく。

わかりやすい言葉で、誰でも気づく、でも誰もまだ書いていなかったことを書きたいです。

余白を残す短編。

余白を残す短編。

ここは東京。適度に人に無関心な大都会の終電間際。孤独であることに寂しさを覚える主人公は、「仕事にも彼氏にも恵まれた一見順風満帆」な女性に出会う。 一人で居たい、だけど孤独が怖い主…

「純白の妖精」の連載バージョンです。 この前は短編だったので

夜の街で生きる「朔夜」は、男を憎みながらも、男にしか救われない。 揺れる名前、揺れる身体、揺れる心。 都会の灯と闇のあいだで、出会いと別れは突然に訪れる。 轢き潰された鳩、月蝕の…

　海の近い町で育った高校生は、幼馴染の小川澪と、いつの間にか言葉を交わさなくなっていた。高校二年の夏、二人は再び時間を共有し、放課後や海辺で静かな日々を過ごす。しかし教室の空気が…

ネット活動を主とする、神様のようで正体不明な憧れの作家、向上つばさに呼び出された『僕』が頼まれたのは、向上つばさと名乗って表舞台へ立つことだった。 本当の向上つばさを隠すために、…

これは、私が“桜”になるまでの話。 正解の世界からこぼれ落ちたあと、 名前をもらい、居場所を見つけるまでの、 取るに足りない与太話です。 本作は『あか、ときどき、だれ』のスピ…

雲は、記憶のかたちをしていた。 都会で息苦しさを抱える少年・晴樹。 満員電車、うざいほどの青空、そして夢の中の白い世界。 龍のような雲を見た日、彼の前に空を見上げる少女が現れ…

この世界には大きな闇と小さな光しかないけれど、きっと小さな光がなければ大きな闇でさえ在りはしなかっただろう。 短編を上げていきます。 タグSFにしてますけど全然SFじゃない話…