最近は雨の日が続き、傘が手放せない毎日ですね。
外へ出かけるのが少しおっくうに感じたり、予定が変わってしまったりと、気分までどんよりしてしまうこともあるかもしれません。
ですが、そんな日は家でゆっくりと物語に浸る絶好の機会でもあります。
今回は「雨の日は一気読み!」をテーマに、雨が印象的に描かれる作品や、雨だからこそ生まれる静かな時間を味わえる作品を集めました。
窓を打つ雨音をBGMにページをめくれば、どんよりした景色も少し違って見えるかもしれません。
雨の日ならではの空気感をまとった4作品を、この機会にぜひお楽しみください。
本特集に選ばれたレビューをご投稿いただいた方には、7月中に500円分の図書カードをお送りいたします。今後とも、素敵なレビューのご投稿をよろしくお願いいたします。
雨が降り続く不思議な街を舞台に描かれる、再生と希望の物語。
静かに流れる時間の中で、傷ついた人たちの心にそっと寄り添う描写が本当に美しく、気がつけば私も雨音に耳を傾けながら物語の中を歩いていました。
幻想的な世界観に惹かれるのはもちろんですが、この作品の魅力は何より登場人物たちの優しさ。言葉にならない痛みや悲しみに寄り添う姿が温かく、胸に深く沁みます。
読み終えたあと、雨が少し違って見える。そんな素敵な余韻を残してくれる物語です☔✨
ヤンデレ界隈には類のない設定の作り込みだと思います。
話の最初に必ず引用があるのがこの作者さんの特徴だと思いますが、入念な下調べが窺えてすごい。。
病的に好意を抱くって通常有り得なくて、その理由付けがヤンデレの肝だと思ってるんですが、この人はそのところも抜かりないです。
話の展開的にはこれからですが、めちゃめちゃ期待してます。
大学時代からの友人の結婚式に出席した久我柾は、二次会には出ず仕事場に戻る途中で、言い争う男女に遭遇する。
女性はいかにも乱暴されたような状態で、男から逃げようと必死に足掻いているように見えた。久我は現役検事である己のスキルを使い、その女性を救出することに成功した。
来栖 湊。
彼女こそ、日本で知らないひとはほとんどいないだろう大人気のトップ女優····なはずが、今の仕事が忙しすぎて、テレビをあまり観ない久我が知るはずもなく(笑)
そんなふたりの関係はそこで終わるはずだったのだが····偶然という名の運命が、ふたりの再会を用意しておりました。
まったく違う立場であるふたり。
もちろん出会って秒で恋に落ちるなんてご都合主義、この物語には存在しません。しかしながら、さまざまなきっかけがふたりを強く結び付け、少しずつお互いを意識していく過程、恋を自覚していくというドラマティックな展開が今作の魅力なのです。
方や『死神』とあだ名がつくほど、仕事の鬼のイケメン検事。方や『スキャンダルの女王』と呼ばれるほど、話題に事欠かないトップ女優。
本来混じり合うことのないふたりの、甘くて切ないラブロマンスをぜひ(*˘︶˘*).。.:*♡
白い画面の前で、カーソルだけが瞬いている。
書きたい気持ちはあるのに、怖くて書けない。
言葉が浮かんでも、形になる前に消えてしまう。
そんな紗月の焦りや苦しさが、とても自然に伝わってきて、創作をする人なら、きっと共感してしまう物語だと思いました。
少なくとも、私は共感し過ぎました。
舞台となる喫茶店「Rainy Pages」も素敵です。
雨音、コーヒーの香り、本棚に並ぶ新刊、そして黒猫型AIロボのクロ。
静かで優しい空間なのに、ただ癒やすだけではなく、ちゃんと紗月の背中を押してくれる場所になっているところが魅力的でした。
特に印象に残ったのは、「読むこと」と「感じたことを書くこと」が、創作につながっていくという流れです。
読書感想文という身近な題材を通して、文章を書くことは特別な才能だけではなく、気づく力や、自分の心が動いた瞬間を見つめることから始まるのだと感じさせてくれます。
久遠さんの言葉は静かで温かく、クロの軽妙なツッコミは楽しくて、その二つのバランスもとても心地よかったです。
そして最後、紗月が最初の一文を書き出す場面。
大きな奇跡ではないけれど、書けなかった人にとっては確かに大きな一歩で、その瞬間にこちらの胸までふっと軽くなりました。
雨の日に読むと、少しだけ自分も何かを書き出したくなる。
そんな、小さな勇気をくれる優しい物語です。