夢中になれるものありますか？ お金儲けでも、恋愛でも、ゲームでもなんでも。何かに夢中になることは素晴らしいことだと私は思います。それが何かの役に立つかどうかは関係ありません。少なくとも夢中になっている間は人生を豊かにしている。それだけでも十分ですよね。そしてそれは一人にひとつだけとは限りません。自分を夢中にさせてくれるものをたくさん探してみてください。それがやがて貴方の支えにも、強みにもなるはずです。ただ問題はいくら時間があっても足りなくなることですかね……。夢中が多いほど人生は短すぎる。
女神ピタラスの導きで異世界へ転生したのは、それぞれ数学、物理学、地学、化学、生物学に秀でた五人のオタクたちだった！
そのうちの一人、貴族の少年グラルの前世は「ジェットコースターを積分する」という奇妙な夢を抱く数学オタク。積分とは、簡単に言えば関数の放物線グラフで囲まれた面積を求める方法のこと。つまり単なる線に新しい次元を加えるということだ。
女神から科学の発展を命じられ、グラルに与えられた【積分魔法】は、人や物の可能性を広げて新しいスキルを生み出す能力。
その【積分魔法】と頭脳を活かし、異世界の最高学府に主席入学を果たしたグラルが、大好きな数学を広めるため、常識はずれの行動と活躍で周囲の度肝を抜いていく学園風景が痛快なのだ。
元からこの世界に科学がなかったわけではない。なんらかの理由で研究が途絶えて、曖昧な知識だけが伝わってしまっていた。どうして科学は衰退してしまったのか。その歴史の謎に迫っていくミステリーも興味深い。
グラルたちの熾した科学の火は、まだロウソクの火のように小さいが、たしかにこの世界に火は灯ったのだ。
科学の発展は、人類の発展。五人のオタク、いや、五人の賢者たちが広げる科学に期待がふくらむ。
（新作紹介 カクヨム金のたまご／文＝愛咲優詩）
可愛い子供と愛する妻のため、職場のストレスと残業に耐え忍び、ついに念願のマイホームをゲットしたサラリーマンの涼坂直樹（36）。しかし、その夢の新居のリビングが何故か異世界に通じていて……！ 平凡な中流家庭に訪れた非日常の世界への冒険が胸をワクワクさせます。
ゲームのようにモンスターが棲み、魔法やマジックアイテム、経験値やレベルが存在する不思議な異世界ロフミリアに繋がった涼坂家。
平日はいつものように会社や学校に行き、休日は異世界に出かけてモンスターを狩ったり、ダンジョンに潜ってお宝を探したり、現地人と交流をしたりとレジャー気分で異世界を楽しむ光景がほのぼのとして和みます。
毎日残業続きで休日出勤も多い父親をよそに、腕白小僧の歩斗とお転婆娘の優衣の兄妹は子供たちだけで異世界に出かけて大活躍！ 召喚モンスターを捕まえたり、才能やスキルに目覚めて、いつの間にか直樹を上回ってしまう。
主婦でゲーマーな妻の香織も、何事にも動じない天然さで大物ぶりを見せつけ、ついに直樹は飼い猫にまでレベルで負けてしまう始末……。
こんな体たらくで家長としての威厳が保てるのか！？ 頑張れ、直樹！ 休日でも家族のために頑張るお父さんは格好良いぞ！
（新作紹介 カクヨム金のたまご／文＝愛咲優詩）
ここは都内某所にある白薔薇学園。日本屈指のお嬢様が集う超・お嬢様校である！！
「次回の配信は明日の夜を予定しておりますわ。ぜひ通知を入れて待っていてくださいませ。ではごきげんよう！」
チャンネル登録者数三十万人を超える有名配信者・夕凪みみこ。
このカリスマ溢れるお嬢様こそが、動画配信サイトMineTubeでその名を轟かすゲーマーお嬢様なのである！
「あの野郎絶対許しませんわ……次ラウンドで脳天ぶち抜くまでお待ちくださいませ……おほほほ……」
どんなときも優雅で清楚な言葉使いを忘れない。どんな相手にもお嬢様は気高く屈しない！
事実みみこお嬢様はお強い。大人気VRFPSゲーム『Special Force Heavens』では全プレイヤーの上位1％に属する。
とくにスナイパーライフルの腕前は日本一といっても過言ではない。対戦相手の先を読み、裏をかき、一発の弾丸で華麗に勝敗を決めていく。そのスーパープレイに今宵も数多くのリスナーが酔いしれる。
eスポーツがオリンピック種目として選ばれた未来。日本のeスポーツ界を背負って立つゲーマーお嬢様の活躍を刮目して見よですわ！
（新作紹介 カクヨム金のたまご／文＝愛咲優詩）
学園一の美少女の秋月さんは趣味で小説投稿サイトに作品を投稿する底辺作家。一方、平凡男子の神代くんはプロ級の腕前のイラストレーター。
お互いに接点のなかった二人だが、神代くんが秋月さんの小説にファンアートを贈ったことから始まる、創作を通じた二人の交流が微笑ましかったです。
秋月さんの小説は人気がない。小説を書いていることを周囲に秘密にしている秋月さんの頼みで彼女の相談相手になった神代くんだが、なかなかに容赦ない。
ありていに言ってネタは既存作のパクリだらけ。ストーリーもどこか既視感がある展開ばかり。オリジナリティが感じられない。ビシバシ厳しい意見や指摘を言うが、キャラクターだけはいいねと、長所をちゃんと褒めて認める評価の仕方をわかっている。
小説とイラスト、ものは違えど創作者同士で通じ合うこともある。急速に距離を縮めていく二人だが、共通の友人である咲間さんはそれが面白くなくて……、三角関係の勃発で二人の創作論だけじゃないラブコメがぐっと面白くなってきた！
ちなみに作者はこの作品を書きながら、同時に作品の挿絵も描いています。ひとつの作品にここまで熱量をこめられるのは素直に感服しました！
（新作紹介 カクヨム金のたまご／文＝愛咲優詩）
