武蔵野台地に誕生!角川武蔵野ミュージアムオープン記念・第1回角川武蔵野文学賞
834 作品
武蔵野のいまに出会い再発見するための、小さな、しかし多彩な試みが、このような形で始まったことに大きな喜びを覚えている。
大賞には「創生の巌」を選ばせていただいた。照葉樹の森から萱原へ、そして雑木林や畑へと移り変わってきた数万年の歴史が、二柱の、デエデラボッチとミシャクジの対話を通して紡がれる神話語り、そこに浮き彫りになる武蔵野の忘れられた風景は鮮やかだ。
準賞には二篇。「水辺の生き物」には、野川のほとりに暮らす女性の姿が、そこに生息する生き物たちとともに、彼女のもとを訪ねる若い男の眼でやわらかくスケッチされている。主人公は野川そのものである。「真夜中のひまわり」では、真夜中にはしゃぎ回る子どもらの声を聞いた女性が、かつてそこに国民学校があり、空襲によって子どもたちが亡くなっていたことを知る。射しかかる戦争のあわい影、これも語られざる武蔵野である。
心に残る掌編が多かった。感謝。
赤坂憲雄
武蔵野の丘に、百尺を超える巨巌が在る。
巌には、一柱の土着の神が宿っていた。
或る晩秋の夜、一人の童女が巌に宿る神を訪れる……。
武蔵野の今むかし、そしてこれからの物語。
「角川武蔵野文学賞」の中間選考の結果を発表させていただきます。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、改めて深く御礼申し上げます。
※掲載の並びは作品のコンテストへの応募順となっております