次の面白い、求む!
1,616 作品
この度は「電撃の新文芸5周年記念コンテスト」にご応募いただき、誠にありがとうございます。
電撃の新文芸は2019年に創刊し、「面白ければなんでもあり」の視点からWEB小説の面白いを再発見し、「こんなWEB小説を読みたい!」と思う作品を世に送りだして参りました。
おかげさまで5周年を迎えることができ、電撃の新文芸発のアニメ化作品や大人気の長期シリーズも続々と登場しております。
そんな中で実施した本コンテストは「電撃《新文芸》スタートアップコンテスト」、「電撃の新文芸2周年記念コンテスト ――編集者からの4つの挑戦状――」に続いて三度目のレーベルコンテストとなり、レーベルの次世代を担う個性豊かな作品を求めて募集させていただきました。
ジャンルやコンセプトを指定しないことで編集部が求める作品に悩まれた方も多かったかもしれませんが、数多くの力作を応募していただき、編集部一同、本当に嬉しく思っております。
応募作はどれもオリジナリティにあふれ、それぞれの著者様ならではの工夫が感じられ、わくわくしながら選考させていただきました。
入選作については各作品の講評をお読みいただければと思いますが、大賞1作品と、特別賞2作品を選出いたしました。
いずれの作品もストーリー展開、設定、キャラクターともに非常に魅力的で、読者の皆さまへお届けできる日を心待ちにしております。ぜひご期待ください!
これからも皆さまに挑戦したいと思っていただけるコンテストを企画して参りますので、ぜひ、私たちと一緒に新たなエンタテインメントを作っていただけたら幸いです。
今後も電撃の新文芸をどうぞよろしくお願いいたします!
電撃の新文芸編集部
【DAG】ワイ将、ダンジョンアタッカーの資格獲得するwww【特攻野郎】
ネットの掲示板でとあるスレッドが立ち上がった。
スレ民はそんなスレ主を煽ったり心配したり、スレや配信でワチャワチャしながらダンジョンに潜っていく。
スレ主が日本どころか、世界を揺るがす大騒動の中心になるのは、まだ先の話。
ランドバル王国騎士団に所属するジャスティンは聖騎士の称号を持ち、次期騎士団長候補にも名前があがるほどの有望株。だが、同期のライバル・ハンクによって運営費横領の濡れ衣を着せられ、地方へと左遷させられてしまう。
王都勤務への復帰を目指すも、左遷先の穏やかでのんびりした田舎暮らしにすっかりハマってしまい、このままでもいいかと思い始めた――その矢先、なぜか同期のハンクが狙っている名家出身の後輩女騎士エリナがジャスティンを追って同じく田舎町勤務に!?
一方、騎士団内ではジャスティンの事件が何者かに仕掛けられたものではないかと疑惑が浮上していて……
タイトルに偽りのないゆったりとした雰囲気で進行する物語に癒されました。トレンドであるスローライフものとして定番のツボは抑えられていて、ファンタジー世界でのスローライフを描くうえでの『日常』と『非日常』の緩急に作者なりの拘りを感じます。
物語の始まりは追放もののエッセンスも入っていますが、スローライフに徹底して軸足を置いて構築されており、そこに戦争と向き合ってきた聖騎士である主人公ならではの理由付けが出来ていた点が好印象でした。
元・聖騎士ジャスティンと彼のもとに集まる個性豊かなキャラたちで栄えゆくカーティス村の今後に期待しています。
人類の傲慢さが生み出した人殺しの獣、<メタル>により人類は地上を追われ、生き残るために空へと逃げ出した時代。
“貴族殺し”の罪を犯して故郷の“浮島”を追放された少年“ムジカ”は、3年間を共にした傭兵団長ラウルに謀られ、彼の娘共々“人質”扱いで学園都市、“浮島セイリオス”へと入学させられた。
「俺が傭兵兼講師、お前とリムが、俺が裏切らないよう人質兼学生扱いでワンセットの契約だ。悪い取引じゃねえだろ?」
「ふざけろ。なんで俺が、今更学生やらされにゃならねえんだよ」
だが否定むなしく始まった、学生生活。
嫌々ながらに学生をする羽目になったムジカは、だがひょんなことから<メタル>と戦う義務を負った“貴族”の子供たちと出会い――
「教えてくれよ――お前たちの言う“ノーブル”ってなんだ?」
貴族としての、誇りと名誉。責務と権利。幼い頃の憧れと――命を捨ててでも戦う、覚悟。
卑しさと、高潔さと。これはその狭間で生きる少年の、“戦う理由”を探す物語。
自らが生み出した化け物によって地上を追われた人類。パワードスーツのようなロボット。空に浮かぶ学園都市。家督争いで故郷を追放された主人公。個々ではありそうな設定ながら、全てを高い完成度で盛り込んだ本作は、まさしく「ありそうでなかった!」というコンセプトにぴったりでした。戦う理由を探し続ける主人公と、彼を想うキャラクター達との関わりを魅力的に描けている点も評価し、特別賞として選出いたしました。
「電撃の新文芸5周年記念コンテスト」の中間選考の結果を発表させていただきます。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、改めて深く御礼申し上げます。
※掲載の並びは作品のコンテストへの応募順となっております
講評
臨場感のあるバトル描写に小気味よく挟まれるギャグ、そして魅力的なキャラクター。シンプルなタイトルの中に沢山の「面白い」が詰まっている、宝箱のような作品でした。
それぞれのキャラが一体となってダンジョン攻略を進めていく展開は、自分もリアルタイムでその場に立ち会っているかのようなワクワク感があり、新鮮な読書体験となりました。
みんなで創りあげる熱い物語に、きっと皆様も夢中になれること間違いなしです!