KAC語りき

水乃流

KAC2022

 前回のKAC2021は、タイミングを逃して不参加でした。今回もあやうく見逃すところでしたが、なんとか全部参加することができました。これは、その時の備忘録、創作メモです。完走の感想、なんちゃって。


○第一回目【二刀流】 3/1

 お題の元ネタは大谷翔平選手なのだろうけれど、「二刀流」と聞いて最初に思い浮かべたのはやはり宮本武蔵でした。二ですからねぇ、単純と言えば単純。やはり剣劇かなと。

 以前書いた『背後霊は忙しい(https://kakuyomu.jp/works/1177354054893169192)』の中にその大陸の中で著名な五つの流派を登場させていました。登場人物のひとりがその創始者(の幽霊)ということで、彼女がほかの流派と対決して有名になったというサイドストーリーをぼやーっと考えていまして、そのプロット中に二刀流との対決もあったものですから、ちょうどいいやと。


「大陸五剣 剣鬼との対決」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861287954953/episodes/16816927861287970503


 書き始めてから、対決シーンで苦労しました。やっぱりアクションシーンは難しい。絵は思い浮かぶのですけれど、それを文字に落とし込むのは大変。でもって、主人公が持っている“ある秘密”も、ここでばらしたくなかったので言及できず。自縄自縛状態で。

 でも、不思議なことに今回二刀流との対決を書いているうちに、他の流派との対決方法もなんとなく浮かんで来ました。そのうち続きを書きたいな。KACの規約で7/30まではこのままですけど。



○第二回【推し活】3/4

 言葉としては知っていましたが、何気に難しいお題でした。小説であれば、推し活に励む人とか、如何にして推し活に足を踏み入れたか、といったものになるのでしょうが、どうにもピンと来ない。私が若かったら、何かを推していてすんなりアイディアが出てきたかもしれませんが。ということで、推し活なるもについての考察をエッセイとして書きました。


「推し活考察」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861316429750/episodes/16816927861316458396



○第三回【第六感】3/9

 小説にしやすいお題でした。でも、素直にドラマを書くのを躊躇ってしまうのが、私の天邪鬼的性格というもので。


「真相追及! 第六感、その正体に迫る!2時間SP」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861458234669/episodes/16816927861458258088


 ギャグに走ってしまいました。ギャグというカテゴリはないので、SFにしちゃいました。筒井康隆氏を目指してみましたが、とうぜん遠く及ばす(^_^; PVもほとんどないのは、やはりタイトルがいけないんでしょうね。



○第四回【お笑い/コメディ】

 これは、範囲が広すぎて難しいお題ですよ、ほんとうに。しかも、第三回でギャグやっちゃっているので、さらに難しい。お笑いでいうところの天丼にしようかとも想いましたが、傷に塩を塗り込むような所業だと思い止めました。なら、この書くのが難しいということを書けば良いのでは? という発想で。


「笑いは難しい」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861566356510/episodes/16816927861566366359


本当に、万人に通じるような笑いって難しいですよね。

 なんてことを書いていたら、アカデミー賞の授賞式でウィル・スミスがクリス・ロックのジョークに怒って平手打ちしたハプニングがあって、日米で受け取り方に大きな違いがあるのにもびっくり。暴力はいけないことだけど、奥さんの病気を知ってか知らずかジョークのネタにするなんて! って感じですよね日本では。まぁ、ウィル・スミスとクリス・ロックの知名度の差もありそうですが。でも、アメリカだとジョークに怒るなんて! っていうことらしく。でも、日本人のメンタリティだと、他人の病気をジョークにするのはちょっと受け容れられないなぁ。



○第五回【88歳】3/14

 ♪夏も近付く八十八夜~チョイチョイ。お題を聞いて、これが頭の中でリフレインしてしまいプチパニック。お題はですからね。

 ストレートに考えれば、88→米寿。米寿のお祝いとか。でも、米寿ならその前に還暦だよな。還暦って、暦が戻るってことで赤子に還るってこと。うん、還暦を過ぎて若返ったら、88歳も28歳だよね。ということで「若返った88歳」という設定を思いつきました。

 また、以前からAという荒唐無稽な話を考えていて、それはそのまま小説にしにくかったのでBという話をプロット出ししていたのですが、じゃぁAに至る過程は? と考えた時に若返りという設定が嵌まるなと気づいて、「若返った爺が日本のために戦う」という話ができました。


「戦士、28歳 実年齢88歳」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861625023423/episodes/16816927861625039851


 ロシアのウクライナ侵攻にも、少し影響受けている気がします。



○第六回【焼き鳥が登場する物語】3/16

 焼き鳥さえ登場すればなんでもいいわけで、書きやすいといえば書きやすいテーマですが。焼き鳥と言えば、居酒屋くらいの発想しかなかったのですが、そういえば夫婦で映画を観た帰りに、テイクアウトする焼き鳥屋さんがあったなぁと思い出し。それなら、「我が家の食卓(https://kakuyomu.jp/works/1177354055139265754)」の番外編として、そのまんま書いてしまおうと思って書きました。焼き鳥を買ってきて食べるという、ひねりも何もない話です。


「我が家の食卓 【番外編】 焼き鳥」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861678819567/episodes/16816927861678851361



○第七回【出会いと別れ】3/18

 意外に難しいな、と感じたのは、やはり4000文字という文字数制限があるから。この中で出会って(交流があって)別れるというのをやらなきゃならない。別れという結末にどう持っていくのか。

 あぁ、そういえば若返った話作ったな、第二の人生が始まったのなら出会いと別れもあるな、ということで考えたお話です。「戦士、28歳」の続き。

 若く見えるけど中身は爺と婆なので、デートとかはあまり華美にならないだろうと、昭和初期のイメージで。また当初は、別れのシーンは激しくなる予定でしたが、書いているうちに若返ったヒロインがそんな青くさいことしないなと思い、静かなシーンにしました。


「出会い、そして…… 休日の出会い」

https://kakuyomu.jp/my/works/16816927861761069177



○第八回【私だけのヒーロー】3/21

 前作がハングオーバー的に終わったので、お題が出る前から続きを考えていました。時間が経ってからまとめ直そうかなと想っていたら、お題がピタリと当てはまってしまったので。もちろん、この続きも考えていて、秋以降に中編としてまとめられたらいいなぁと思っています。……なんてことを書くと、自縄自縛、いや自爆。


「ヒーローとして 里奈の遺言」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861820033534/episodes/16816927861820042894



○第九回【猫の手を借りた結果】3/23

 人類須くヌコ様の下僕なので、お手をお借りするなどとんでもない……と思ったことはおいておくとして。お題を見た瞬間、蘇った思い出をそのまま書いてしまいました。キャッチにも書きましたが、ほぼ実話。現実にはもうちょっと色々ありましたが。あ~恥ずかしい。


「シャムという名の猫 縁結び」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861850955209/episodes/16816927861850966760



○第十回【真夜中】3/25

 テーマが広すぎて、逆に書きにくいパターン。

 真夜中というキーワードで、いろいろ頭には浮かぶけれど、ひとつに絞り込むことが難しいなと思い、いっそ真夜中という舞台設定に関する考察はどうだろうかと創作論カテゴリで書いてみました。

 小説の舞台設定としてなら「真夜中」だけじゃなくて、他にも「断崖絶壁」とか「離れ小島」とか「雪」とかいろいろ考えられますね。


「物語の舞台 真夜中」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861931482709/episodes/16816927861931508278



○最終回【日記】3/28

 これも一般的な言葉だけに、広すぎて迷いました。「戦士、28歳」の続きも考えたのですが、遺言と日記って同じ過去の記録ですから、話としてはつらいなと却下(自分の中で)。

 で、これもまた少し書き始めている小説からネタを持ってきて、作りました。理想としては妄想と現実の線引きが曖昧になって、なにが真実なのかわからなくなるというくらいにしたかったのですが、完全に力不足ですねぇ。


「とある勇者の日記」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861997437699/episodes/16816927861997447305


 これでKAC2022完走だ~と思っていましたが、時間があったので日記というテーマについていろいろと考えていくうち、「日記というものは、記憶を記録にするためのもの」じゃぁないかと。また、恐竜の化石なんかと同じで、歴史(時間)の積み重ねによって作られるものだなぁなんて考えに至り。ならば、記録された記憶は日記を読むことで新たな記憶となって受け継がれるのではないかという発想から話ができました。


「神なる日記 始まりのページ」

https://kakuyomu.jp/works/16816927862054322676/episodes/16816927862054331428



こうして、12の作品を書き上げたわけですが、個人的に辛い状態が続いているので、良く書けたなと自分で感じています。ある意味逃避だったのかも。

さて、来年(にKACがあるとして)も、できるだけ頑張ってみたいと(だからそういうことを書くと自爆する羽目に)考えています。



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