概要
電気殺虫灯。
青白い光に誘われて、
羽虫がスパークする。
飛んで火に入る夏の虫。
青白い光は誘う。
そして、羽虫は身を投じる。
その身を焦がすと知っていても。
数奇な運命の交差。
2組の男女が、悲劇に突き進む。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!映画のように走り抜ける、火曜日のクライムサスペンス。
コンビニの軒下にぶら下がる電気殺虫灯。
そこへ誘われる羽虫のように、登場人物たちはそれぞれの事情を抱えたまま、避けがたい運命へ近づいていきます。
本来なら交わるはずのない二組が、ひとつの場所へ向かってしまうクライムサスペンスです。
まず、タイトル。
生まれてから今日まで、誰もが七日に一度、何度も何度も通り過ぎてきた火曜日です。
けれど読み終えるころには、その見慣れた曜日の奥に、別の冷たい意味が潜んでいることに気づかされます。
このタイトルの選び方と効かせ方だけでも、作者様のセンスが光っているのです。
そして、宮本 賢治先生のお作品すべてに共通して大好きなところは、場面が映像のように浮かん…続きを読む - ★★★ Excellent!!!クールでバイオレンス、そして飯テロ……胸を締め付ける至極の犯罪小説!
かようび、警察官のタカシとその妻のサイカはグレーのSUVを走らせる。妊娠中のサイカのお腹が臨月に入ったため、安静にと彼女の実家に向かっているところだ。
と、そこにヒッチハイクをする一組のカップル。
タカシは無視しようとするが、人助けはするものだというサイカの言葉に、車を停めるのだが――。
ヤクザ者同士の裏切りに端を発する、クールでバイオレンスなアクションドラマ!
これまでの宮本様の諸作品はどんなに辛い場面があろうとも、どこかに救いある展開を必ず見出すことができたように思いますが……今作は飛び切りにノー・マーシーです!
しかしそれ故に、ノワール映画のような濃厚な血の香り、胸を締め付けるよ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!日常に潜んでいた理不尽。シンプルで詩的な文体が狂気を引き立たせる。
今更私が説明するでもなく、
宮本先生の文体はかなり独特です。
物語でありながら詩のような。確かに宮沢賢治イズムをお持ちのようです。
この人の作品には『でも』とか『しかし』とか『差し当たって』とか『ところが』のような、文章のリズムを出したいがためにつかいがちな枕詞があまりないのも特徴です。
その分、メッセージが鋭利に突き刺さってくるのですが……
それで今回のテーマの作品です。
私個人としては、そうですね。心の体力に余裕がある時にお読みすることをお勧めいたします。
もしくは、洋画で言ったら、ファニーゲーム、セブン、ミリオンダラーベイビー、辺りが好きな方はまあ『刺さる』と思います。
軽…続きを読む