概要

あの夜、止まったのは足音だけではなかった。
受験期の夏休み。
深夜まで勉強していた“俺”は、二階へと上ってくる不自然な足音を聞く。

階段の電気は消え、家族は全員寝ているはず。
やがて曲がり角に現れたのは、白く実体のない“モヤ”だった。

それは祖父の部屋の前で止まり、そこで記憶は途切れる。

翌朝、何事もなかったかのように日常は続く。
祖父も元気なまま。

しかし数日後、祖父は意味深な言葉を口にする。

「あの晩、扉の向こうに立っとったのは一つだけやなかった」

——あの夜、止まっていたのは誰だったのか。

そして、選ばれなかったのは誰だったのか。
  • 完結済1
  • 1,682文字
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