概要
トルムはヒーローのようだった父に憧れて、冒険者になった。
しかし、憧れていた冒険者の姿は理想とはかけはなれていて、彼は辟易としていた。
トルムはそんなある日、依頼の最中にティシーという美しい娼婦と出会う。
彼は彼女に惹かれていく……。
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- ★★★ Excellent!!!英雄たちの冒険譚に埋もれてしまうような、一人の男の物語
自分の正義を貫くことはかっこいい。
でもそれではきっと、英雄にはなれないだろう。
これは沢山の英雄たちの冒険譚に埋もれてしまうような、英雄になれなかった男の物語である。
トルムは冒険者であった。
同じく冒険者であった父のようになりたいという確たる思いを、彼は胸に抱いていた。
単独の冒険者であったトルムは、あるパーティーに参加することになる。
今回のクエストは商人の護衛であったが、そこにはパーティーではない二人の女性がいた。
彼女たちは男性メンバーの性欲のはけ口として同行している娼婦だ。
多くの冒険譚では触れられない、「性の処理のため」に同行する娼婦という存在が描かれる珍しい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!正義とは何か――。別にヒーローになんてならなくてもいいのかもしれない。
亡き父に憧れて冒険者になったトルム。彼はまっすぐな冒険者になろうと思っていたはずが、現実は理想とはかけ離れていた。
そんなトルムが出会ったのは一人の娼婦・ティシーだった。性欲にまみれた冒険者パーティーに辟易した彼が選ぶ道とは――。
どんな相手にも対等に接しようとするトルムの姿に胸を打たれました。退廃した世界に一石を投じた彼は、ヒーローにはなれなくとも真の意味での“勇者”なのかもしれません。
全体的に惨たらしいというか切ないというか、なんとも救われないお話です。それゆえか普段は考えないような「愛」や「尊厳」といった哲学的な事柄について色々と考えさせられました。
結局のところト…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ヒーローになりたい。ただ一人、君にとっての
Mr.ChildrenのHEROという歌が脳内に流れました。
どこまでも虚しく、救いのなく、それでいて暖かいお話にございました。
悲しい異世界ですが、倫理観は中世あたりのそれと似通っていたのか、
戦場に娼婦を連れているそうです。
普段は一匹狼でやっている主人公が、ある以来のためにパーティーに参加したのですが、
そのパーティーにも娼婦がおりました。
主人公は厳格な性格なのですが、
一晩、娼婦と肩を寄せ合い眠りについたのが……悲劇の始まりだったのやもしれません……。
HERO。
その言葉の定義は実は難しく、何を以てしてヒーローと呼ぶかは曖昧な部分があります。
その言葉の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!理想と現実の狭間で
トルムは冒険者。
高潔な冒険者だった父に憧れて冒険者になったが、理想と現実は異なるもの。
そんな現実に辟易しているときに
美しい娼婦ティシーに出会う。彼女たちは冒険者を温めるために同行しているのだ――。
トルムが理想とは真逆な現実でも、誠実であろうとするのが切ない。
ファンタジーの世界観だが、リアルな感覚が漂い、切なさを増しています。
トルムは父のようになりたかったのでしょう。
ひとりで現実世界でもがいているようにも思えました。
ティシーの現実も厳しい。彼女たちはなにかあったら囮にされたり見捨てられる存在だから。
そんなふたりが、肩を寄せ合うシーンでは胸が締め付けられるようでした。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!彼はきっと、「この世界の主人公」ではなかった。そんな片隅の冒険者の物語
理想と現実の狭間。改めて掘り下げると、やっぱり切ないことだな、と思いました。
主人公トルムは冒険者に憧れていた。高潔な冒険者だった父のようになりたい。そんな幼い頃からの夢を叶えるため、冒険者として武器を手に旅に出ていた。
だが、現実は綺麗なものではなかった。
冒険者たちは下卑た人間が多く、旅には「娼婦」なんかを連れ歩くことになっている。
この設定の段階で、「これが、現実的なものかもしれない」と強く思わされました。
冒険者というと、ゲームの中の世界を地で行くような夢のある職業のように思える。けれど、実際には「危険な境遇の中で荒事をこなして生きている輩」も大半となっており、単…続きを読む