この年になって思う。自分は、あの頃と比べて何が変わったのだろうか。何も変わっていない気もするし、すべて変わってしまった気もする。子供には無限の可能性がある、という言葉をよく聞く。だが本当に残酷なのは、その可能性があることを、本人が自覚できないことなのだと思う。この作品に描かれた彼は、特別な怪物でも、理解不能な異常者でもない。知を愛し、孤独を知り、自分の居場所を少しずつ失っていった、ごく普通の少年だ。だからこそ、彼は私であり、そして、貴方でもある。
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