いきなりの雨に遭い、粗末な山小屋に逃れた主人公は、心身の不調から夢幻へと落ちる。自分は、豪華な宮殿にすまう姫君なのだという夢。でも、それはただの夢想。救いに現れた騎士も、ただの幻影にすぎず。現実に差し伸べられた手に比べれば、形さえもおぼろげで。けれど、主人公にその行動を選ばせた、その証とは……。夢の中に燦然と、確かにかがやくものを描く掌編。
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