ふとしたきっかけから、植物の魅力に取り憑かれたがごとき行動に走る友人。趣味を変え、それまでの宝を手放し、家のなかの有様を一変させて。それでもまあ「趣味」の範疇に収まっていれば、口出しすることとは言えないのですが。それが「狂気」であるならば、何かしらの「限界」はあるのです。最後の主人公の一喝が、それを示してくれるでしょう。
いやあ、面白い。私自身、物事にのめり込む性質なので、こういうのは、よくわかります。ただ、この同僚氏は、ちょっとばかりやりすぎですけれどね。やりすぎですけれど、こういう生活、楽しいでしょうね。
同僚が植物と会話するのだという。その世話に傾倒する。言動は常軌を逸していた。彼は植物を家族だという。同僚と距離を置いた。時を経て、助けを求められることになる。人は、一つの物事にのめり込むと盲目となる。自らの生活を犠牲にして、適した環境を作り出そうとする。狭い部屋の中で。語り手の叫びに、読者は我に返るだろう。