概要
エリザベートを救出するべく、ハンブルクから兄が訪ねてくる
1949年、ソビエトの傀儡国家ドイツ民主共和国(東ドイツ)が建国された。第二次世界大戦末期の混乱で、ソビエト軍将校アレクセイの愛を受け入れたエリザベートは、東側の世界に納得し、彼と共にドレスデンで生きる決意をしていた。
アレクセイの所属するMGB(KGBの前身)は、エリザベートのことをナチス残党オデッサをおびきよせる生餌と考えており、彼女は組織の命令で西側の親族や知人と連絡を取ることになる。ライプチヒ・メッセにかこつけて西ドイツの街ハンブルクから実兄オスカーが訪ねてくる。
このお話には第1章、第2章があります。なるべくそれらを先にお読みください。
このお話の主人公は元々若きエリートナチス高官の妻でしたが、終戦の混乱ではぐれてしまい、祖国を滅ぼした敵国であり、夫とは真逆の思想の男と愛し合
アレクセイの所属するMGB(KGBの前身)は、エリザベートのことをナチス残党オデッサをおびきよせる生餌と考えており、彼女は組織の命令で西側の親族や知人と連絡を取ることになる。ライプチヒ・メッセにかこつけて西ドイツの街ハンブルクから実兄オスカーが訪ねてくる。
このお話には第1章、第2章があります。なるべくそれらを先にお読みください。
このお話の主人公は元々若きエリートナチス高官の妻でしたが、終戦の混乱ではぐれてしまい、祖国を滅ぼした敵国であり、夫とは真逆の思想の男と愛し合
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!深紅に揺れる、境界線の女
スパイ任務としての手紙作成と、兄から届く西側の贅沢品という対比が鮮烈で、冷戦下の緊張と個人の感情が見事に絡み合っています。
特にナイロンのストッキングやシルクタフタの描写は圧巻で、物質そのものがイデオロギーの象徴として立ち上がる点に強く引き込まれました。
西側資本主義の洗練と東側の矜持のはざまで揺れるアレクセイとエリザベートの心情が、繊細かつ重層的に描かれています。
ドレス制作の工程を丹念に追う描写は、創作の喜びと職人の誇りを鮮やかに浮かび上がらせ、物語に確かな熱を与えています。
政治と愛、国家と美がせめぎ合う中で、深紅のドレスが一つの宣言となる構図に、歴史小説としての厚みと魅力を感じました。