ミステリーあるある漫才

　わかる！　という共感度があまりに高すぎて、何度も大笑いしてしまいました。

　本作は「ミステリーあるある」な漫才を描いたもの。
　そこで冒頭からかっ飛ばしてくるのが「ミステリーにおける死亡フラグ」というのだから、これで既に読者の心がグッと掴まれます。

　ミステリーに詳しくない人でも一度は聞いたことのある「あのシチュエーション」などが出てきて、「あ！　これはいかん奴！」とすぐにツッコミを入れたくなります。

　その後も思わぬネタが炸裂していき、ミステリー通なら悶絶してしまうような「コアなネタ」なんかも登場することに。

　「〇〇トリックってたしかに伏字にしても意味ないよねぇ」とか、「あの作…続きを読む

AもBも本当は作者の声なのかもしれません。本格ミステリー作家のBに悪魔の様に囁くA。「本格じゃなくても良いんだからね。コメディーもOKよ」とAはBをそそのかす…。作者の本格ミステリーのファンですが、違うジャンルの作品も読みたいです。

　本作はミステリー作品によくある展開をネタにした漫才をやるという話です。

　テンポがよくて、実際の漫才を見ているように感じました。
　作者の方は本格ミステリーをよく書いている人ですが、こういうのも書けるんだなと驚きました。

　こういう言動をしたキャラが死んでしまうとか、叙述トリックがあるというのがネタバレになって驚きが減るとか、推理小説が好きな人は共感できる話が多いと思います。

　サクッと笑える作品が読みたい。そういう方におすすめの作品です。