概要
濡れた制服が歩く夜。次はあなたの番かもしれない。
深夜2時、夜勤から帰ると廊下の奥からビニールが擦れるような音が聞こえた。誰もいないはずなのに、その音は規則的に近づいてくる。私が立ち止まると、音も止まる。そして再び動き出す。角を曲がった瞬間、見てしまった。紺色のブレザーとチェックのスカート、白いブラウス、黒いローファー。すべてが誰も着ていないのに、人の形を保ったまま歩いていた。
築40年を超える県営住宅。住人のほとんどが高齢者で、夜は静まり返っている。そんな場所で目撃した、異常な光景。制服は全身びしょ濡れで、袖口からぽたぽたと水を滴らせながら廊下を進んでいく。生乾きの臭い。カビと少しだけ鉄の匂い。
翌日、管理人に尋ねても「誰もいない」と言われる。ただ「廊下、また濡れてたでしょう?」と。拭いても毎晩出る水の跡。誰が、何が濡らしているのか。
築40年を超える県営住宅。住人のほとんどが高齢者で、夜は静まり返っている。そんな場所で目撃した、異常な光景。制服は全身びしょ濡れで、袖口からぽたぽたと水を滴らせながら廊下を進んでいく。生乾きの臭い。カビと少しだけ鉄の匂い。
翌日、管理人に尋ねても「誰もいない」と言われる。ただ「廊下、また濡れてたでしょう?」と。拭いても毎晩出る水の跡。誰が、何が濡らしているのか。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?