概要
うちの学校の壁に浮かぶ「妖怪」が、おれが、あいつを傷つけたんだ。
涙ぐんで、歩き去ってゆく陽和(ひより)を、“おれ”は謝ることもできずに見送って。
あいつにそんな顔をさせた原因は、特別校舎の西の壁に浮かびあがる「妖怪」だった。
クロノヒョウ様主催『第71回 2000文字以内でお題に挑戦!』参加作品。
お題は「てるてる坊主の証言」です。
あいつにそんな顔をさせた原因は、特別校舎の西の壁に浮かびあがる「妖怪」だった。
クロノヒョウ様主催『第71回 2000文字以内でお題に挑戦!』参加作品。
お題は「てるてる坊主の証言」です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!妖怪の恩返し
妖怪をそういう切り口で見せるとは。京極夏彦氏の妖怪小説が形態としては近いかもしれない。
都市伝説は(非実物の)コミュニケーションツールとしての側面を持つ。同じ怪異に慄き、ルーツを想像し、対策を練ることで、人々、特に子供たちは確実に連帯感を得ていたはずだ。おそらくは妖怪も同様であったろう。一昔前の子供たちが口裂け女の噂で盛り上がったように、江戸時代の子供たちは一つ目小僧の噂で盛り上がったに違いない。
そして、学校は子供たちのコミュニケーションの場である。そこで都市伝説が生まれたのは必然であろう。そして、都市伝説に紛れて、妖怪たちが潜むにも都合が良かったろう。子供たちの口に登り続ける限り、妖…続きを読む - ★★★ Excellent!!!明日はきっと晴れになる。
旧い校舎の壁は、老朽化や雨風に晒されて
巨大な 妖怪 を顕現させていた。
古い言い伝えと共に、それはいつしか
『ヒヨリボウ』と名付けられ、願掛けや
ちょっとしたマスコットとして認知され、学校で知らぬ者はいない。
只、それに傷ついていた者がいる。
知ってか知らずか『ヒヨリボウ』との
関連で弄られる一人の少女の密かな心の
痛みを、これ又、密かに気にしている
少年がいた。
江戸時代に認知された『日和坊』という
妖怪の来歴は、悲しみに満ちている。
しかし、それは今や明日への願いを込めて
願掛けをする、謂わば 神霊 として
存在してる。
彼女と彼の、明日への願いを
きっと
「叶え…続きを読む