概要
これは、冬の学舎で交わした、二つの魂の記録。
凍てつく規律が支配する、ソ連時代の寄宿学校。 「国家の誇り」という言葉が空虚に響くその場所で、ユリアンは自らの名前も空洞になっていく恐れを抱いていた。 ある夜、彼は音楽室から漏れる、ガラスのように澄んだソプラノを聞く。 声の主は、車椅子の少年エリセイ。 月光が差し込む音楽室で、二人は密かに「許されざる歌」の練習を重ね始める。冷たい世界の片隅で響きあう、束の間の旋律。その先に待つものは——。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?