• マイページ
  • 小説を探す
  • ネクスト
  • 書籍化作品
KADOKAWA Group
  • ログイン
  • 新規登録(無料)
橋脚K10のループ

橋脚K10のループ

霧原ミハウ(Mironow)

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★12
4人が評価しました
本文あり
日付が新しい順

本文ありのおすすめレビュー

  • 脳幹 まこと
    448件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    夥しき天才の残骸、収束する結果。


     数学オリンピックで優秀な成績を出した少年デニスは、自他ともに認める天才だった。 
     両親は息子の安泰のため、数理系の最高峰を希望し、彼はそつなく合格する。

     彼に不安などなかった。
     世界は自分と、自分が信じる法則によって動いていると確信していたから。

     そんな彼が「解法が視える」男、ダニイルに出会ったことにより、彼の運命は発散し始める――

    ・

     凡才と天才との比較は多々あるが、天才の中にもはっきりとしたレイヤーがあることを示す作品。
     天才も天才に嫉妬する。

     時代が違えば、全員名が残ったのかもしれないが、そうはならないのが歴史の残酷さでもある。

     この作品は感情的な発露を見せることはあまりない。
     しかし、静かな文章の中に、蝉のように果てる天才達の残骸が垣間見え、最高峰と呼ばれるものの功罪を感じさせた。
     

    • 2025年11月10日 03:28