第9章 推し活、完結っ⁈

📘あらすじ


恋は、何歳からだって始められる。

推しを守り抜いた彼女が見つけたのは──自分を誇れる生き方。


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第9章 推し活、完結⁈


本編


その後の展開は早かった。


圭吾の手配で、証拠は弁護士を通して警察に提出された。

玲奈と背後の「ライズケア」幹部の不正は明るみに出て、M&Aの計画は白紙に戻る。

隼人の会社は守られ、スタッフたちにも笑顔が戻った。


 数日後の朝。

 隼人は美香をモーニングに誘った。


名古屋の小さなカフェ。

窓際の席には、やさしい光が差し込み、温かいコーヒーの香りが漂っていた。


 「改めてお礼を言わせて。あなたがいなかったら、僕はもう立っていられなかった」


 「そんなことないわ。私はただ……あなたが推しだから」


 「推し?」


 「ええ。推し活って、誰かを本気で応援するってこと。恋も、人生も、ね」


隼人は微笑み、カップを手に取った。


 「君のそういうところ、ほんと、好きだな」


ふと、美香は笑って言った。


 「やっぱり私、この顔好きだわ〜」


隼人は少し驚いた表情をしながらも、微笑み


 「どうしたんだい?ハニー?」


二人は吹き出し、コーヒーの香りと笑い声が混じった。

外では秋の風がやさしく木々を揺らし、どこか遠くで新しい一日が始まろうとしていた。


美香は静かに思う。

恋は、若い頃の特権なんかじゃない。

再び誰かを想い、守りたいと願える自分でいられること──


 それが、人生のご褒美なのだと。


カップを置き、窓の外の光に目を細める。

もう迷いはない。

私は、自分の足で歩いていける。


 彼の隣に、笑いながら。


 ──Fin ──



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💬あとがき(作者コメント)


 この物語は、52歳からの自立と再生、

 推し活が恋になり、冒険となり、人生を輝かせる姿を描きました。


 年齢や境遇に関係なく、誰もが自分の人生の主人公になれる

 美香はそれを証明したのです。




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ハニー・リターン 〜52歳、推し活は恋の始まり〜 天使見習い @Angel3110

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