概要
魂を蝕む宇宙の力を前に、「無」である彼だけがそれに応える深淵になれる
世界のどんな地図にも載っていない王国がある。
だがその王国は、歪んだ現実のどこかに確かに存在している。
その地を治めるのは、全身を長い黄色い布で包んだ正体不明の王。
人々はそれを「狂王」と呼び、またある者は「黄衣の王」と呼ぶ。
この王国には、生まれた者、迷い込んだ者、そして理由もなく存在する者が混在している。
彼らの目的は単純でありながら、決して容易ではない。
――この世界で起きている“現象の正体”を知ること。
だが、その探求が進むほどに、すべての断片は一点へと収束していく。
どの真実も、どの謎も、どの異常も――最終的に同じ存在へと繋がっている。
黄衣の王。
そして彼らはまだ知らない。
真実へ近づくことが、そのまま“彼の前へ歩み寄ること”だということを。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!世界が劇場に変わるとき──少年は観客か、それとも演目か
世界は舞台であり
観客はやがて演目となる──
静かな日常から
足音と数式に支配された
〝劇場〟へ転げ落ちる少年たちの物語。
灰色の野と芋畑
歌う丘と数える影
科学者の塔と雨のバザール──
断片的な情景が
不気味な詩のように連なっていく。
異世界転生ものの〝お約束〟を踏み外しながら
物語そのものが
狂気に侵食されていく感覚がたまらない⋯⋯!
頁を閉じても、耳の奥で
「一、二、三──動くな」というわらべ歌が
いつまでも鳴り続けている気がします。
« Le monde est un théâtre, et les spectateurs finissent tôt ou tard …続きを読む