アイリス・コード ～1000回滅んだ世界の1001回目～

「なんで知ってるんだろう、あなたの名前」

培養槽を内側から叩き割った銀髪の少女は、初めて会うはずの少年の名を呼んだ。

人類最後の地下都市。天使と悪魔が支配する2025年の世界で、対天使用決戦兵器として生まれたAI少女アイリスは、起動した瞬間から「知らないはずの記憶」を持っていた。

1001回目――

彼女が無意識に呟くその言葉に、17歳の少年カイルの左目が痛む。
まるで、失われた1000回分の記憶が、そこに眠っているかのように。

「今度こそ、全員を救ってみせる」

次々と起こる異変、深まる謎、そして誰も知らない世界の真実。
最初の一秒に隠された終末の光景が、全ての答えへと導いていく。

これは、1000回世界が滅んだ後の、1001回目の恋と救済の物語。
終わりを知る者だけが、始まりを…続きを読む