押し迫る運命に少女は抗い、生きる!

土雲族の中で“災いの子”と呼ばれる娘セイレンは、双子の姉が犯した罪をかぶせられて殺されかけるが、とある国の王たる雄日子の“守り人”となることで生き長らえる。
しかし雄日子は大和朝廷より反逆人と断定されており、その命を狙われていた。

大和朝とまつろわぬ民が混在した日本の古代をモチーフにしているのも目新しくて興味深いのですが、やはり歴史ものには不可欠なもの――しっかり組まれた重厚なストーリーと、それを支える緻密な世界設定を読ませてくれるところが最高ですね。

歴史には改変してはいけない軸がありますから、それに障らず、しかもおもしろいお話を作るというのは非常に難しいものです。
だからこそ、それができている歴史ものには必然性が宿り、語り部たるキャラクターも輝くんです。

物語あり、設定あり、キャラクターあり。三位一体の読み応えを、あなたもその目で味わってくださいませ!

(秋こそガッツリ!長編4選!/文=髙橋 剛)

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