書くだけでは終わらない、自費出版なる光あるいは闇!

 カクヨムロイヤルティプログラムをきっかけに、自らの文章をきちんと収益化することを志した書き手がいた。これはそんな困難へ立ち向かう福倉 真世の奮迅と苦闘とを赤裸々に語り上げたエッセイである。

 こちらは自費出版(Web出版)で自身の文章の収益化を目ざすと決めた福倉さんの記録となります。
「ただやってみた!」的な内容ではないのですよ。出版媒体についての詳細はもちろん、なぜそこを選んだのか、そして出版に際してなにを用意したのか、これらが実にわかりやすく紹介されているのが本作の注目点。同人誌活動もそうですが、自力のみでなにかを為すとなると、実は本作業以外の手間がものすごく大きいですものね。

 そしてそれを実行したことで得られた利と次々迫り来る新たな問題! これもまた自費出版あるあるで、共感させられずにいられないのです。

 多様化しつつある出版の新たな道、自費出版。ひとつの読み物として、そしてそれにどんな苦労があるのかの参考書として、ぜひご一読を。


(「艱難辛苦が襲い来る!!」4選/文=高橋剛)