匂い立つモカの香りと扇情と。

一読するとBLのようにも思えるが、耽美に向けられた丁寧な描写は即物的な感情のやりとりにとどまらず、わずか掌編に納められた文章のなかで濃厚にふたりの関係を醸している。

本作には同性愛のロジックだけでは決して読み解きたくない奥深さがあるように思う。美しい文章が読みたい方、必読である。

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