食べ物に喩えてしまってすみません(汗)が、過激な戦闘描写ばっかり書いている自分のような人間にはとても書けない、しかしどこか向こうから寄り添ってきてくれるような、不思議な温もりを抱いた作品です。比喩もまた大変上品で、かといって計算し尽くされた堅苦しさのない、いい意味での脱力系短編。コーヒーとチョコレートをおつまみに、ゆっくりご堪能ください(^^)
一読するとBLのようにも思えるが、耽美に向けられた丁寧な描写は即物的な感情のやりとりにとどまらず、わずか掌編に納められた文章のなかで濃厚にふたりの関係を醸している。本作には同性愛のロジックだけでは決して読み解きたくない奥深さがあるように思う。美しい文章が読みたい方、必読である。
タイトル通り、日常の一コマを切り取った様子です。 ですが、異国情緒あふれるようにも取れますし、身近な世界に存在しているかのようにも受け取れる、不思議な暖かい空間が展開されています。 二人の間には、割りこめない。そう思わせてくれます。 けれど、もっと知りたい! そんな欲求をも刺激してくれる作品でした。 何も言わなくても、自分を見つけてくれる。そういう関係に憧れる方々へお奨めの一作です。