これが始まりだったんだ 、本当の世界の

ループ、ループ、ループ。主人公の怒り、戸惑い、そして絶望。ループされているようで進んでいく物語。謎が解けていき絶望へと変わる。どうあがいたってどうにもならない世界へ。けれど! ここで主人公はループする。プロローグへと舞い戻ってくる。ここから始まる物語。読み終わった後。え? 終わり? と呆然としましたがよく見れば『起』です。なるほどとっても長めな起でした。
SF苦手な私には少し取っ付きにくい作品ではありましたが『世界五分前仮説』をググってみれば話の輪郭は見えてきました。きっとSF好きな人にはたまらない作品かもしれません。が、SF全く読まないよって私みたいな人にも軽快に交わされる登場人物達の会話と一人称の主人公の目線でこの世界の謎を少しずつ解いていく過程で知らず知らず物語は進んでいきます。起承転結があるのなら是非続きを読みたいです。

その他のおすすめレビュー

日向ナツさんの他のおすすめレビュー72