90年代を疾走した全ての人へ

これはある意味では、読者を選びます。90年代の懐かしいゲーム機。対戦には通信ケーブルが必要だったあの時代。そんな懐かしい空気の中で展開される、淡く優しく、ドキドキするオトコノコとオンナノコの駆け引きがサイダーの爽やかさを彷彿させる程に全面にピュアで。

今回が初の長編小説という事に驚きを禁じ得ません。独特の語りが本当に優しくて、なんて奥さんの事を愛してるんだろうと思います。
物書きとしては、どうやってオチをとエゲツナイ事をついつい考えてしまうのですが、今作のような終始優しい空気感の中で、最初から優しくも愛しい結末で綴ることに心を動かされたのでした。

是非、作者の次の新作を心待ちにしたいと思います。

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