ラスト数行で起きる展開に、ハッと息を呑む

 ネタバレを避けるため、多くは語りません。
 まず、この作品は一人称を活かした作りになっていると思います。友を失った女性の無念の声が読み手に迫り、なぜ友が死んだのかを私たちに問いかけてくる……一人称ならではの説得力がそこにはあります。
 そして至る、ラスト数行の展開。作品を読み進めながら、この小説がどのような結末を迎えるのか想像してください。会葬に訪れた者たちへ語りかける彼女が、最後に何をなすのか。それを当てることができたなら貴方の勝ち、外れたなら著者の勝ちーー私はこの作品から、そのような印象を受けました。なぜなら、この作品がミステリーだからです。主人公の心の動きから、彼女がとる行動を、貴方は予測できるでしょうかーー?

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