概要
友の死に彼女は何を思う……。
とある葬儀会場での喪主の挨拶。
おすすめレビュー
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- ★ Good!緊張感漂う、弾劾の独白体ミステリー。【★】
とても興味深い作品で、読み終えた今、作品の出来や面白さ以上の興奮を感じている。その詳細は後半の「ネタバレあり」の部分で……
タイトルが示す通り、この独白はまさに弔辞、とある著名人の告別式の場で行われている。テレビ中継も入っている、誰もその場から逃れようのない環境で、故人の自殺の真相を、弔辞を通して明かしていく――この舞台設定一つで緊張感と期待感がいや増す、心憎い設定である。
明かされる謎以上に、それを取り巻く「小さな、けれど無数の悪意」の有り様を暴いていく流れが実にスリリングで、心を奪われた。
独白体によって自殺の背景を綴り、その背後にある犯罪性を暴き出す。しかし自殺の…続きを読む - ★★ Very Good!!ラスト数行で起きる展開に、ハッと息を呑む
ネタバレを避けるため、多くは語りません。
まず、この作品は一人称を活かした作りになっていると思います。友を失った女性の無念の声が読み手に迫り、なぜ友が死んだのかを私たちに問いかけてくる……一人称ならではの説得力がそこにはあります。
そして至る、ラスト数行の展開。作品を読み進めながら、この小説がどのような結末を迎えるのか想像してください。会葬に訪れた者たちへ語りかける彼女が、最後に何をなすのか。それを当てることができたなら貴方の勝ち、外れたなら著者の勝ちーー私はこの作品から、そのような印象を受けました。なぜなら、この作品がミステリーだからです。主人公の心の動きから、彼女がとる行動を、貴方…続きを読む