歩道橋の上で出会った音楽と友人を通じて成長する青年の物語。

私はラップ音楽に疎いです。ラップミュージシャンは、DragonAshしか知りません。もし、彼等の音楽がラップじゃないと反論されると、戸惑ってしまうレベルです。だけど、本作品は、そんな素人でも楽しめる作品です。
青年の成長物語としては極めてオーソドックスなのですが、ラップ音楽を前面に打ち出しているので、とても新鮮な感じがします。
作品中の至る箇所にラップの歌詞が列挙されているのですが、韻を踏んだ部分には傍点を打っているので理解し易い。でも、文字数や母音をチェックしてしまい勝ちです。実際はイントネーションとか長音短音の組合せで其れっぽくなるのでしょうが、素人には咀嚼できません。そう言う観点で、本作品は紙面ではなく「朗読」で楽しみたい作品です。
尚、最終章「手紙」では、「えっ! そうなの?」と意表を突かれます。吉と出るか凶と出るかは読者次第。初老の私にはウ〜ムと言う感じですが...。

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