まず始めに、この物語ひとつひとつのオチ自体は、誰にでも分かるよう簡潔に書かれている。ならなぜ私は〝同じ話〟を何度も繰り返して見てしまうのだろうか。
きっと観点が違ったのだ。きっと視点が違ったのだ。きっと角度が違ったのだ。きっと盲点があったのだ。どれだけ読んでも答えは出ない。答えがそこにあるのに、私自身が納得いく答えが見つからない。それは当然だ。
そのときになって、私は初めてこの物語の〝嘘〟に気付いたのだから。
まんまとしてやられた。これを読んでいるうちに私はどうやら物語の本質を履き違えていたらしい。
皆さんもどうか実態のないお話を堪能して欲しい。一から百までの物語、どこまでが嘘で、どこまでが真実なのか。
なるほど、視点を変えればSFというのも頷ける。
マジで天才かよ……なんなんだよ……なんの恨みがあって、なんの権利があって、俺の短い人生から、貴重な時間を奪うんだ。
と理不尽な怒りをぶつけたくなるほど、すげえ完璧なショートショートで、ほんと最後まで読みたいんだけど、俺にも人生をやっていく為の仕事があり、もう完全に限界を超えているので、仕方なくブックマーク、というかフォローだけしてここを立ち去らなければならないが、旧友からの電話、もうね、良いですよ。良すぎる。このまま映像化してほしい。
追記:七不思議シリーズも完璧ですね。
完璧な物語は存在しないと宣っている村上春樹を、今から俺は殴りに行ってくるので、戻ってこなかったら新たな不思議として、語り継いでもらいたい。