隠れた名作

感想書きます企画で依頼された形ですが、この作品に巡り会えて本当に良かったです。
あまり注目されていないものの、ダイヤの原石を掘り当てた時。スコッパー冥利に尽きる、といった感動を覚えます。

タグには異世界、チート、ハーレムといったものが設定されておりますが、本作はかなりシリアスでハードな異世界モノです。昨今流行りというよりは、80~90年代の名作ファンタジーRPGを彷彿とさせるシナリオでした。

1章では悪代官に手篭めにされそうな皇女を救うという、安心感を覚えるほどの時代劇的展開。2章でダタッツが帝国勇者へと至るまでの回想、そして3章でラスボスとの激闘となります。シンプルなストーリー構造でありながら、重厚で感動的な物語展開でした。

一度異世界から現実に戻って、また異世界に戻ったのは彼くらいではないでしょうか。その半生はあまりに救いがなく、思わず胸が締め付けられる来歴でした。
しかしそんなダタッツが、それでも尚大切な人達のために、これまで失くしてきたもの達のために戦う様はカタルシスどころではない鳥肌立つ英雄譚だったと思います。

長文になりましたが、本当に面白い作品でした。未来を感じるラストで本当に良かったです。ただただ、面白いという言葉しか出てきません。

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