あなたのそばにも付喪神はいるのかもしれない

付喪神。この言葉を聞いて思い浮かぶのはなんだろうか。古い茶碗。掛け軸。あるいは根付?
いやいや、付喪神だからってそんな伝統的なものばかりに生まれる訳じゃない。だってここには自動販売機の付喪神がいるのだから。
緋色の小紋に灰白の綸子りんずの帯。手に持った和傘がくるくると回しながら野ヒバリのように歌う。
なんと印象的な付喪神だろうか。なんと愛らしい!
雨の日も風の日も、自動販売機はいつだってそこにいて、うだるような暑い日にはキンと冷えたコーラを。首をすくめるような寒い日には心まで温める珈琲を用意して待っていてくれる自動販売機の、なんと健気なことか!(お代はいただきますよ?)
ぜひこの愛らしい付喪神を愛でてください。
そうすれば、あなたのそばにもあなたの付喪神を見つけることができるかもしれない。

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