夜逃げするのにカーテンまで持っていくか普通!カーテンだぞ!?ファック!
クソのように積みあがったクソのような残業を終えて深夜0時過ぎにやっと自宅に帰ったら部屋からあらかた家財道具が消えていて、ついでに婚約者も消えていた。
思えば何事につけ、ちゃんとやり遂げるということができないでいる人生だった。婚約者には土壇場で逃げられるし(カーテンまで持って!)、仕事も最後の詰めが甘い。これはとにかく、なにかしらひとつの事を自分のちからで最後までやり遂げる、という経験を積むことが喫緊の課題ではないかという思いがムクムクと大きくなり、なんにせよ仕事が暇になってしまった私は貯まりに貯まった有給を使ってやおら県内最高峰の3000メートル級登山に挑戦する。